執筆陣
“映画の故郷”「東宝スタジオ」に潜入。映画製作の頭からお尻にまで対応できる、歴史と技術に溢れた空間だった(後)
映画製作の拠点として数々の大作を送り出してきた「東宝スタジオ」。映画ファンの聖地ともいえるこの場所を縁あって訪れる機会を得た。
自分で言うのもおこがましいが、ハリウッドのスタジオはあちこち見てきたのに、国内のスタジオをこの目で見学するのは初めての体験である。基本的に大きく変わる部分はないだろうと思っていたが、建物の造りから運営方針まで結構な違いがあった。聞くと見るとではかなりの隔たりがあることを改めて知ることになった。
東宝スタジオの歴史は長い。そもそもは、写真科学研究所(P・C・L=フォト・ケミカル・ラボラトリー)というトーキー映画の技術を開発する企業を母体とし、その後ピー・シー・エル...