映画『旅の終わりのたからもの』、すれちがう父と娘の気持ちが、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の前で――ついに語られる家族の記憶
この時代に、この映画が作られ、日本で上映されることに尊さを感じる。もっとも、物語の舞台は現代ではなく、「1991年のポーランド」だ。現代にしてしまうとSNSやスマホは不可避である。また第2次世界大戦に関連するテーマで、登場人物にその経験者を含む物語にしようとする場合、もう、歳月は流れに流れてしまったので、「時代劇」として創造していくしかない。そうしたなかで、この力作が生まれたのだと思う。
繰り返すが、時代背景は「1991年のポーランド」。ざっと“民主化が具体的に始まっていた頃”と考えると物語がよりクリアに見えてくるかもしれない。主人公はホロコーストを生き抜いて(つまりユダヤ系)約50年ぶ...