執筆陣
極秘文書を一刻も早く奪うのだ! 人間模様うずまくサスペンス『対外秘』
1992年の釜山を舞台にした物語。よってアイフォンなどは出てこないし、テレビはブラウン管。だが描かれている物事は今もどこかの国において現在形で行われているのではないか、そんな生々しい濁りがある。
主人公のヘウンは“クリーンな政治家”として地元でも人気があり、党の公認候補も約束されている。そこで、国会議員選挙への出馬を画策するのだが、そこに横やりを入れてきたのがスンテという年上の男だ。スンテは国を動かすこともできる黒幕であり、そのパワーを知っているヘウンは自分より遥かに年上である彼に礼は欠かさなかったつもりだ。それなのに、なんだというのだ。どうして公認候補を俺から、急に、どこの馬の骨かわか...