執筆陣
【技研公開2019リポート】もっと明るい8Kカメラや、超大容量ホログラムメモリーに関連した展示も。技研ならではの要素研究はやはり面白い
次世代映像デバイス技術
8Kという高精細な映像を撮影するカメラには、画素密度が細かく、かつ光の感度も高いという難しい要素を兼ね備えたデバイスが必要とされる。撮像パネルのサイズが同じ場合、解像度が増えると画素ひとつひとつは小さくなっていくわけで、それだけ感度は下がってしまう。技研公開では、そんなジレンマを解消する技術も展示された。
まずは増倍膜積層型撮像デバイスで、もうひとつはより小型で高精細な単板カメラ用の有機膜積層型カラー撮像デバイスだ。
倍増膜積層型撮像デバイスとは、結晶セレンを用いた光電変換膜(倍増膜)が、光を受けて生じた電荷を膜内で増やす“なだれ増倍“機能を持っていることを応用し...
執筆陣
【技研公開2019リポート】将来は地デジでも8K映像が伝送できる? 次世代映像符号化方式VVCの研究も進んでいた
次世代映像符号化方式VVC
新4K8K衛星放送で使われている映像圧縮(符号化)コーデックのHEVC(High Efficiency Video Coding)。今回の技研公開ではそんなHEVCの次のコーデックとして、VVC(Versatile Video Coding)に関連した展示も行なわれていた。
VCCは国際標準化団体のMPEGとITU-Tが合同で2020年7月を目標に標準化を進めている技術であり、HEVCに比べて30〜50%の効率アップが期待されている。より柔軟なブロック分割や多彩な予測技術、変換技術を盛り込むことで、ビットレートが同じであっても、より美しい映像が再現できるという...
執筆陣
【技研公開2019リポート】フルスペック8K信号のライブ伝送を実現。そこにはどんな工夫が隠されているのか
いよいよ明日から、NHK放送技術研究所の「技研公開2019」一般公開がスタートする。今年は「ワクからはみ出せ、未来のメディア」をテーマに、4K8Kといったこれまでの技術をベースにした新しいメディアのあり方を提案していく内容となっている。
会場リポート第一弾は昨日お届けしたので、今回はそれらの新提案にまつわる技術的な側面についても紹介しておきたい。
8K120Hz符号化装置・復号装置
既にリポートした通り、地下1Fには、NHKがフルスペック8Kと呼んでいる信号をリアルタイムに伝送するデモが行なわれている。ちなみに「フルスペック8K」とは、8K解像度(水平7680×垂直4320画素)と毎秒1...
執筆陣
【技研公開2019リポート】 8Kカメラをワイヤレスで運用できるエンコード&送信装置を初展示
6 フルスペック8Kライブ制作伝送実験
ブース6はかなり広い敷地を使って伝送実験を行なう機器類を展示していたが、最終的にその映像が家庭に送られてきた時の展示がこちら。NHKとLGディスプレイ、アストロの3社が共同で開発した88インチの有機ELディスプレイ。キモは120Hz(p)表示が可能になったこと
6 フルスペック8Kライブ制作伝送実験
ブース6の敷地の最後は、家庭での22.2ch音声の楽しみ方の提案。昨年は、サウンドバー状のスピーカー(2本)と大きなウーファーという3ピース構成だったが、今年はウーファーをテレビ台に収納。台の左右に配置する2ボックス仕様としている。中央にはサウンドプロ...