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発売20周年記念モデル、サン・オーディオSVC200は、堂々たる風格の再生を魅せる完成度の高い特別仕様
SVC200はサン・オーディオの管球式ライン入力専用プリアンプであり、キット仕様もあるロングラン製品だ。本機はその発売20周年記念の特別仕様であり、完成品のみで登場した。
一番大きな特徴は、ライントランスによるバランス入力/出力端子を追加したことだ。バランス入力用はタムラのTD1であり、これは600Ωの1:1、入出力それぞれに2巻線を持つ。出力側はTD2で、こちらは10kΩ:600Ωで入出力それぞれ中点タップ付きだ。また電源部のチョークコイルもタムラの大型特注品に換装。抵抗はA&Bのカーボン抵抗を多用する。出力端のコンデンサーは、錫箔巻きのAudioCap。電源平滑コンデンサーはサン・オ...
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サン・オーディオのパワーアンプ「SV2A3TSX」はタムラ製作所特注のトランス搭載。2A3らしい伸びやかなタッチに聴き惚れる
2A3パラレルシングルの無帰還モノーラルアンプ構成。これは、既に発売されているWR50パラレルシングルのSV-TE/50TSXと基本は同じ構成だ。タムラ製作所特注のトランス類は角張った稜線の新タイプを搭載している。公称出力はWR50の方が7W、2A3は6.5Wとほぼ同等だ。出力端子は8Ω、16Ω用が設置されている。
初段は6SN7のパラレル接続であり、段間トランスを駆動する2段目は出力管の6V6GTを3極管接続。これらの増幅段はロフチンホワイト流に直結接続されている。低い回路インピーダンスで過渡特性を維持する意図が感じられる。新たに採用した段間トランスのB5002TSAは10kΩ対40k...
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【第25回 真空管オーディオ・フェア レポート】 「タムラ製作所/サン・オーディオ」「ファル/コルグ」「GTKオーディオ」「吉柴音楽産業」
タムラ製作所/サン・オーディオ(第2会場Room A)
真空管オーディオ・フェアの第2会場は、損保会館の向かいにあるホテルマイステイズお茶の水の2Fに設けられている。そのRoom Aにはタムラ製作所とサン・オーディオが共同でブースを出展している。
タムラ製作所は1924年に田村ラヂオ商会として創業、いい音を追及する中でトランスの製作を手がけるようになったことはよく知られている。そんなタムラの展示では、シングル用出力トランスの「F-2007A」や「F-2013A」、インダクターの「A-4003A」、電源トランス「PC-1040」などが並んでいる。中でも自作派に人気が高いのは「F-2007A...
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サン・オーディオの「SVC-200 管球王国スペシャルヴァージョン」は、真空管の味わいと現代的な解像感を両立した名品だ
東京・秋葉原に店舗を構える、キットアンプメーカーのサン・オーディオ。真空管オーディオファンなら、一度は耳にしたことがあるだろう。サン・オーディオは、国内外で名高いトランスメーカーのタムラ製作所の代理店からスタートし、現在はオリジナルの真空管アンプキットや、特注トランスなどのパーツも扱っている。真空管アンプキットの開発、製作は30年近い歴史があり、国内外でもファンが多い。知る人ぞ知る名ブランドなのだ。
そんなサン・オーディオとステレオサウンドの季刊誌『管球王国』がコラボして誕生したのが、今回紹介する管球式プリアンプ「SVC-200 管球王国スペシャルヴァージョン」(以下、SVC-200管球...