執筆陣
中国の巨匠チャン・イーモウを前に大失態も、ご機嫌な笑顔に一安心。最新作『ワン・セカンド』は原点回帰の必見作【映画スターに恋して:第22回】
ノスタルジーと映画愛にあふれる『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』
2019年の第69回ベルリン国際映画祭で、コンペティション部門に選出されたにも関わらず、開催直前に突如キャンセルとなったチャン・イーモウ監督の『ワン・セカンド 永遠の24フレーム』(20年)。キャンセルの背景には、日に日に厳しさを増す“映画への検閲”があることは想像に難くないけれど、それでも2021年のトロント国際映画祭の上映で好評を博したこともあって、やっと日本公開が迎えられたことを、素直に喜びたい。
そう、原点に立ち返るというか、文化大革命を体験した“第五世代”監督の真髄は健在! これまでチャン・イーモウ作品を観続...