執筆陣
名盤レビュー/洋楽ポップス編〈その4〉名盤の音楽的な華と雅を堪能
ステレオサウンド社が2018年末にプロデュースしたロック〜ポップス系のSACD/CDハイブリッド盤全8タイトルはどれもが音楽シーンに楔を打ち込んだ傑作ばかり。4回に亘ってその全容を詳解してきたが、最終回はまずはジェイムス・テイラー(以下JT)の『JT』(1977年)。
活力が漲り、音楽的な華が前に出てくる
シンガー・ソングライターの始祖的な存在で現在もソフト・ロックの至宝として活動している彼のまさにセンター・ラインに位置する会心作だ。ワーナーからコロムビアへ移籍しての第一弾で、盟友ピーター・アッシャーがプロデューサーに復帰。バックもワーナー初期の傑作で組んだザ・セクションのメンバーで固め...
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名盤レビュー/洋楽ポップス編〈その3〉ジャズ・ヴォーカル表現の真髄
ステレオサウンド社が2018年末にプロデュースしたロック〜ポップス系のSACD/CDハイブリッド盤全8タイトルはどれもが音楽シーンに楔を打ち込んだ傑作ばかり。4回に亘ってその全容を詳解しているが、3回目の今回はジャズ・ヴォーカル2作品で、まずはナット・キング・コールの『恋こそはすべて』(1957年)。その蕩けるようなバラードの彩りはあらゆる人間に雑事を忘れさせ、ロマンティックで甘美な世界に誘う。まさに音楽のマジックだ。シンガーとしての存在感が絶大なので、若いリスナーの間ではあまり知られていないかもしれないが、元々ナットはピアノ・トリオのバンドマスターで、当初はあまり唄うことはなかったが、...
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名盤レビュー/洋楽ポップス編〈その2〉“女声の妙味”に迫る逸品3作
ステレオサウンド社が2018年末にプロデュースしたロック〜ポップス系のSACD/CDハイブリッド盤全8タイトルはどれもが音楽シーンに楔を打ち込んだ傑作ばかりだが、2回目の今回は、前回のカーラ・ボノフに引き続き、女性ヴォーカルものにフォーカスして詳解する。
リリカルな響きの旨味成分が格段にアップ!
まずは、泣く子も黙るオーディオ・ファイル向けの定番作品、ホリー・コール・トリオ 『ドント・スモーク・イン・ベッド』(1993年)。この作品は従来のCDでも充分高度にHiFiで、ミュージシャンおよびその音楽性を隅から隅までクリアにサウンド・ステージに提示してくれるものだった。だが、キャピトル・スタ...
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名盤レビュー/洋楽ポップス編〈その1〉カーラ・ボノフ『ささやく夜』
あらゆる面で高品位な名盤を世界初SACD化。
瑞々しさと芳醇さを3次元的に体感できる逸品だ
2018年末、ステレオサウンド社がオーディオファイル向けに「一定のグレードのオーディオ装置で再生したときにその作品の魅力をきちんと発揮できる」という基準で選んだロック〜ポップス系のSACD/CDハイブリッド盤をリリースした。今回の8タイトルはどれもが音楽シーンに楔を打ち込んだ傑作ばかりで、今回から4回に分けてその作品性とオーディオ的な聴きどころを詳解していく。
SACD/CDハイブリッド
ステレオサウンド オーディオ名盤コレクション 洋楽ポップス編
①ジェイムス・テイラー『JT』(SSVS-003...