執筆陣
スカーレット・ヨハンソンの出世作が22年ぶりに全国公開。音楽ファンにも訴える大ヒット映画『ゴーストワールド』
これは嬉しいリバイバル上映だ。2001年に公開されて大ヒットした『ゴーストワールド』が、22年ぶりに全国ロードショーされる。当時最新の施設だったはずのレンタルビデオ店が妙に懐かしく感じられたり、当時は時代遅れの産物と考えられていたであろうレコード(しかも78回転!)を集めるマニア連中が妙にかっこよく見えたり、いまの空気のなかで観返すと、また印象が変わってくる。
物語の舞台は1990年代のアメリカ。VHSとCDが猛烈に普及を始めていた頃と考えていいだろう。幼なじみのイーニド(ソーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は、高校はどうにか卒業したものの、とくに今後に対する明確なヴィ...
執筆陣
憬れの仕事だったはずなのに……「裏」を見てしまった女性の「選択」とは。映画『アシスタント』公開
誰だって就職するなら憧れの、好きな分野にいきたいだろう。が、現実(現場)が必ずしも楽しいということはない。そんな「就職あるある」を極めてシビアに描いた一作だ。
主人公のジェーンは、映画プロデューサーになるという夢を描いて有名エンターテイメント企業に就職したひとり。ウキウキしながら面接を受け、合格の通知を受け取り、喜び勇んで出社したことだろう。名門大学の卒業生、すぐ就職できたという意味でも彼女はエリートだ。しかし就職そうそう、ジェーンは現実を体感することになる。そしてスクリーンを観る我々も、しばらくの間、彼女と同じ視点で物事に対峙することになる。やる気のない、その場しのぎの、活気などどこに...