無実の罪であった夫を殺された妻が、死神と「契約」。要注目の若手監督が放つ16㎜撮影作品『皆殺しに手を貸せ』
画面に適度にノイズが入り、出演者が着ている服の襟は大きく、音楽も実に「人力」な感じがして、まるで1970年代に制作された映画のようだなと思ったが、バリバリの新作である。そして内容はマカロニ・ウェスタン、スプラッター、ジャッロ、ブラックマジック、ファンタジー的な要素がたっぷり。情報量の多さにワクワクさせられ、「ここまでやってしまうのか」的なグロテスクなところも含めて、なんというか、制作側が忌憚なくやりたいことをやったという感じが伝わってくる。監督のオースティン・スネルは、フィルムコレクターであるともいう。撮影には、1960年代当時のカメラと16mmのコダックフィルムが用いられた。
物語の舞...