執筆陣
ホロコーストを生き延びたポーランド人の隣に越してきたドイツ人は、ひょっとして……? 『お隣さんはヒトラー?』
原題は「My Neighbor Adolf」。隣人アドルフ、というニュアンスか。舞台は1960年の南米コロンビア、ちょうどアイヒマンがイスラエルの諜報機関に発見された頃の話だ。主人公のポルスキーはホロコーストで家族を失ったポーランド人。ある日、その隣にドイツ人がやってきた。ちょび髭ではないし、あの髪型もしていなかったし、あの口調でもなかったが、あの冷たいまなざしは、彼の知っている「あの男」そのものだった。というのは、「あの男」とポルスキーは一度、面識があったからだ。しかも隣人と「あの男」は、やけに多くの特徴が共通しているのだった。
定説が「妻との自殺」だとしても、実は逃げながら歳を重ねて...