アナログ再生の醍醐味、音色の生々しさが存分に味わえる、濃厚で訴求力に優れた石川さゆりの歌唱力に圧倒された

 艶やかな声色で表現豊かに唄いあげる、石川さゆりのアナログディスクがステレオサウンドからリリースされる。ミキサーズラボを主宰する内沼映二氏がレコーディングエンジニアとして関わった楽曲のなかから14曲を選んで構成したという、2枚組のオーディオファイル向け重量盤である。先行してSACD/CDのハイブリッド盤(SSMS-071)がリリースされているけれども、そこから2曲を割愛して4曲を新たに加えた内容になっている。

Stereo Sound REFERENCE RECORD
LP 33 1/3回転2枚組『石川さゆり -Analog Edition-』

LP(テイチクエンタテインメント/ステレオサウンド SSAR-106〜107)¥9,900 税込

[収録曲]
DISC 1
[SIDE A]
1.夢の浮橋
2.転がる石
3.朝花
[SIDE B]
1.雪幻花(ゆきのはな)
2.朝日楼
3.さのさ
4.木遣りくずし

DISC 2
[SIDE C]
1.酒供養 〜縁歌バージョン〜
2.再会
3.いつか微笑むとき
4.山査子
[SIDE D]
1.風の歌 波の歌
2.浜唄 〜ギターバージョン〜
3.飢餓海峡 〜ギターバージョン〜

●選曲・構成:内沼映二(ミキサーズラボ)
●カッティングエンジニア:北村勝敏(ミキサーズラボ)
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※収録曲が異なるSACD/CD盤『Stereo Sound Reference Record 石川さゆり』(テイチクエンタテインメント/ステレオサウンド SSMS-071)¥5,500 税込あり。詳細はこちら

 ひと足先にテストプレスを聴く機会を得た。デジタルディスクの音とは異なる趣の、実に濃厚で訴求力に優れた石川さゆりの歌唱力の素晴らしさに、私は圧倒されてしまった。自宅で聴いた装置は、エソテリックのGrandioso T1ターンテーブルに、グランツ製トーンアームを組み合わせたプレーヤー。導入間もないマイソニックラボの最高峰MC型Signature Diamondを装着した状態である。

 声色の生々しさはアナログ再生の醍醐味であり、自然に音楽に引き込まれていく訴求力の高さが特に印象的だった。ラッカー盤のカッティングには独ノイマンのVMS80カッティングレースと同SX74カッターヘッドが使われたという。色彩的な鮮やかさは倍音成分の豊かさによるもので、私は自宅で奏でられる美音に聴き惚れてしまった。

  日を改めてDSオーディオのDS-Master3光カートリッジで聴いてみても、やはりヴォーカル帯域がとても充実した濃密な楽曲ばかりで大いに感激した次第。聴く機会の多いSACD/CDハイブリッド盤も当然ながら魅力的な音なのだが、聴感上の音密度の高さでアナログディスク再生のほうが充実していた。テストプレスを返却する前に、私はハイブリッド盤で気に入っている「朝花」と新たにこのアナログディスクに加えられた「風の歌 波の歌」を、何度も聴いてしまった。2枚組のアルバムなので収録曲が14曲と多く、いずれの楽曲も彼女ならではの音世界を繰り広げてくれる。

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