「我慢強さは町民性」と言っている場合ではない。何もしなければ、何も変わらないのだ! 『能登デモクラシー』公開へ
石川県穴水町は若者と高齢者の数がともに減ってゆく「人口減少の最終段階」に入っている。いわゆる「過疎」というのともどこか違う。より唖然とさせられる。まだかろうじて減っていない「若者でも高齢者でもない人々」も、生きていれば誰もが高齢者となり、つかの間の長寿を誇ってもいつかは「減る」当事者となる。
その穴水町で奮闘する滝井元之さんに焦点を当てた一作だ。住んでいるのは町の中心部分からさらに奥。猫がうろうろしている喜びは何ものにも代えがたいとしても、毎日の生活は厳しい。その中で手書きの新聞「紡ぐ」を発行してきた。映画の中ではその制作風景も紹介されているが、下書きなしの一発書き。しかも字体の書き分け...