執筆陣
母・娘・漁師・巨大魚のあいだの「信頼」に心を打たれる力作『ブルーバック あの海を見ていた』
作家ジェイン・ハーパーのベストセラー小説(1997年出版)を原作とした、クライム・サスペンス作品『渇きと偽り』で知られるロバート・コノリー監督が手掛けた一作。この作品を映画化することは、彼の長年の念願だったとのことだ。
主人公は、海洋生物学者のアビー。環境活動家だった母が脳卒中で倒れたとの知らせを受けて、西オーストラリアの海辺の町にある実家に戻る。母の症状は幸いにも軽かったとはいえ、言葉を発することができなくなっていた。そこから「無言の母」と、「これまでのことに思いをはせるアビー」の日々が始まる。
母と共に過ごした時代のこと、環境破壊のこと、そして物語中で重要な役割を果たす青い巨大魚「ブ...