執筆陣
世界中で愛された多才な映画人、ジャンヌ・モローの監督・脚本家としての姿に光を当てる好企画『映画作家 ジャンヌ・モロー』
カンヌ、ヴェネツィア、ベルリン等の映画祭で数々の栄誉に輝き、2007年には芸術文化勲章のコマンドゥールを得たジャンヌ・モローの、映画監督としての姿にも光を当てる上映シリーズ『映画作家 ジャンヌ・モロー』が10月11日から新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開される。私のなかでは『死刑台のエレベーター』(音楽;マイルス・デイヴィス)や『危険な関係』(音楽;アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ、セロニアス・モンク)といった映画、ほかフランスのジャズ・ミュージシャンをバックに歌ったアルバム『Jeanne Chante Jeanne』など音楽絡みの印象...
執筆陣
母・娘・漁師・巨大魚のあいだの「信頼」に心を打たれる力作『ブルーバック あの海を見ていた』
作家ジェイン・ハーパーのベストセラー小説(1997年出版)を原作とした、クライム・サスペンス作品『渇きと偽り』で知られるロバート・コノリー監督が手掛けた一作。この作品を映画化することは、彼の長年の念願だったとのことだ。
主人公は、海洋生物学者のアビー。環境活動家だった母が脳卒中で倒れたとの知らせを受けて、西オーストラリアの海辺の町にある実家に戻る。母の症状は幸いにも軽かったとはいえ、言葉を発することができなくなっていた。そこから「無言の母」と、「これまでのことに思いをはせるアビー」の日々が始まる。
母と共に過ごした時代のこと、環境破壊のこと、そして物語中で重要な役割を果たす青い巨大魚「ブ...