人呼んで“最も危険な職業のひとつ”。深海に取り残された飽和潜水士の実話を描く力作。『ラスト・ブレス』
実話に基づく話だというのだから驚く。そして「こんなことがあり得るのか、本当に人生というものは紙一重だ」と痛感させられる。
潜水支援船「タロス号」が北海でガス・パイプラインの補修を行うためにスコットランドの港から出航した。乗っていた飽和潜水士は3名。彼らは水深91メートルの海底で作業をしていたが、途中で「タロス号」のコンピューター・システムに異常が起き、号そのものが荒波に流されてしまった。そしてクリスの命綱は切れ、彼は深海に投げ出されてしまう。クリスの潜水服に装備された緊急ボンベの酸素は、わずか10分。ここから驚異的な救助作業が始まる。
結果としてクリスは九死に一生を得るのだが、それはネタ...