執筆陣
森と巨象のウェスタン! ファンキーな音楽も異彩を放つ、南インド映画の新潮流。『ジガルタンダ・ダブルX』
約3時間という長さはインド映画の常なのかもしれないが、音楽にはいささか驚いた。ファンク、ソウル・ミュージック、ディスコといった1970年代に大流行したアフリカ系アメリカ人大衆音楽の数々を意識して作られたであろうサウンドトラックが大きくフィーチャーされているのだ。ヴォーカリストのシャウトは時に、まるでジェイムズ・ブラウンである。
そして内容も、「クリント・イーストウッドとサタジット・レイの出会い」という前評判を裏切らない。この場合の“イーストウッド”とは、「夕陽のガンマン」か「ダーティハリー」か。クリント・イーストウッドとサタジット・レイの両者を好む粋な映画ファンの、その中の何パーセントか...