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これを観れば作曲家・ラヴェルがわかる。世紀の問題作にして名曲「ボレロ」誕生に迫る『ボレロ 永遠の旋律』
一度聴いたら忘れられないリズム・パターンとメロディ、反復の面白さ……。モーリス・ラヴェルの名や「ボレロ」という表題を知らなくても、この曲を聞いたことがある人は世界中にあふれているはずだ。個人的には、ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」と共に、クラシック音楽とジャズの間に橋を架けた楽曲という印象も持つ。この映画は、作曲家ラヴェル(発音は、「ヴェ」にアクセントがつく)が「ボレロ」を制作していく過程と、当時の評判、そして晩年の姿にスポットを当てた劇映画である。
ラヴェルは1875年生まれ、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「水の戯れ」、「マ・メール・ロワ」、「夜のガスパール」な...