パナソニックのプレス・カンファレンスでは、単に「GZ2000」というモデルナンバーがプレゼンされただけの、パナソニックの4K有機ELの新製品。MGMグランドホテルのパナソニックスウィートで、現行のTX-65FZ1000とTX-65GZ2000を比較したところ、特に高輝度部のグラデーション部と精細感にたいへん大きな違いがあることが分かった。
テレビ事業部長の筒井俊治氏へのインタビューが別記事にあるが(明日公開予定)、そこで述べられているように、①有機ELパネルのモジュールユニット購入ではなく、オープンセル方式で有機EL部だけ購入し、周辺回路、T-Con(タイミング・コントローラー)、熱対策などはパナソニックで独自で行なった。その結果、輝度向上と白部階調再現が改善された。②SoC(統合処理プロセッサー)を変更し、「AI HDRリマスター」機能強化、動画応答性改良、③Dolby Vision/Dolby Atmos採用……などの、諸点だ。
現物はどうなのか。比較してみると、ディテイルの解像感と白の伸びがまるで、前作FZ1000とは違う。特に高輝度部分だ。昨年モデルも一昨年の製品に比べ、細部の出方が向上していた。今回も同じ映像なので、一昨年モデルからの比較が記憶も交えて、可能だった。
よくなったと思った昨年モデルより、海岸に波が打ち寄せ、太陽の反射を受けてキラキラ光る様子が、確実な実体的なオブジェクトを伴なって、より立って観えた。白階調の情報量の多さが分かった。新しいSoCによる動画応答性改良も顕著だ。これまでは、動くオブジェクトの回りにハローのようなノイズが出ていたが、それがかなり減り、動的な解像感が上がった。
今回のパナソニックの4K有機ELテレビは、大胆に画質改善されたことが分かった。本番製品が楽しみだ。