執筆陣
都心からわずか60㎞の場所にある「山間」で生まれるクリエイティヴな交流。『若者は山里をめざす』公開へ
いわゆる「山村」を舞台にしたドキュメンタリー映画だ。個人的には自分の親戚が住んでいる北海道の音威子府村を思い出して親しみも感じたが、この風景が、都心からわずか60㎞、バスや電車を使えば80分でたどりつく場所にあると知った時点で、驚きは一気に増幅される。そう、これは「埼玉県」の話なのだ。大宮とか浦和とかがある県での話なのだ。
東秩父村は、標高600メートルの山が連なる山間にあり、コンビニもないという。いまでは「埼玉県の消滅可能性都市No.1」にも挙げられているという。だがここに、何人ものひとたちが、舞い戻ってきている。ある女性は東京で就職口をみつけたが、故郷を消滅させたくないと戻って来た。...