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現代によみがえる地獄巡り幻想奇譚へようこそ! 映画『餓鬼が笑う』12月24日公開
日常のひとこまを描いた部分と、ありきたりの理解を超えた別世界に連れ出してくれる部分が、入れ子状態になっている作品という印象を受けた。つまり一つ一つの展開が見逃せないし、ある展開と別の展開が実は予想外につながっていたりして、なんというのだろう、横八の字に結ばれたとてつもなく大きな糸の絡み合いを任意にピックアップした105分がこの映画なのだという感じもする。
主人公の大貫大は今にも壊れそうな古いアパートの四畳半に住んでいて、路上で古物を売って暮らしている。通常ならこうした登場人物がヒロインと出会い、恋をしていくのは、物語経過から数十分ほど経った頃ではないかと思うのだが、この映画にとってそれは...