執筆陣
光がまぶしいほど、闇もまた深くなる。手に汗握るヒューマンサスペンス『ヴィレッジ』
「更生」はどのレベルに達した時に、世間からそう認定されるのだろう。犯罪者の親族は、その犯罪がいかなる理由によって起きたかどうかも考慮されぬまま、いつまで不名誉なレッテルを貼られ続けるのだろう。ひょっとしたらそれは一生どころか、末代まで続くのではなかろうか。そんなジメッとしたいやらしさを、真正面から表現しようという気概が伝わってくる。主人公の片山優に扮する横浜流星をはじめ、幼なじみの美咲役を演じる黒木華にとっても新境地と言える一作なのではないか。
監督・脚本は『新聞記者』や『余命10年』等でも知られる藤井道人。昨年6月に他界した河村光庸プロデューサーにとっては、遺作となってしまった。物語の...