執筆陣
ニューヨークとタイのロケをふんだんに盛り込んだ、ウォン・カーウァイ・プロデュース作品『プアン/友だちと呼ばせて』
英語タイトルは『One For The Road』。私は反射的にアメリカのポピュラー・ソング「One For My Baby (and One More For The Road)」を思い出す。恋人に振られた人物がバーテンに事の顛末をグチり、帰る前に“もう一杯”と酒をおかわりする歌だ。男性ではフランク・シナトラ、女性ではビリー・ホリデイの解釈に定評がある。
この映画『プアン/友だちと呼ばせて』は、実にスリリングな作品『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で監督を務めたバズ・プーンピリヤ監督の最新作(脚本も担当)。そしてプロデューサーとして名匠ウォン・カーウァイが参加している。バズの才能に...