執筆陣
監督デビュー100周年記念上映。あの映画の、あの場面の「魔法」が解き明かされてゆく。『ヒッチコックの映画術』
いまなお観る者をスリルに引き込む名匠、アルフレッド・ヒッチコック監督の頭の中にスポットを当てた、実に興味深い一作だ。私は「映画は可能な限り劇場で」派だが、ヒッチコックとスタンリー・キューブリックに関してはDVDのボックス・セットを持っている。どんな伏線がひそんでいるかわからないし、戻したり静止して確認したくなる事項もたっぷりあり、しかも発想がずばぬけているから、自分もこれをどうにかして文章上に影響させることができないかと、目を皿のようにして見てしまうのだ。
ヒッチコック作品における様々な演出法を、「ヒッチコック自ら解説する」というテイなのが、本作『ヒッチコックの映画術』である。イギリス風...