映画『モンテ・クリスト伯』。愛と憎しみの約180分。フランス国内で940万人を動員した話題の大作
「冤罪」「復讐」「人間ドラマ」という、ある意味映画好きなら誰もが惹かれるテーマに満ち満ちた一作。しかも美術と衣装はセザール賞を受賞したというだけあって卓抜の一言に尽き、自然光を生かした映像も実に美しい。映像が美しいほど、内容のドロドロ具合が際立つというわけだ。あらゆる事象がコンパクトに短縮化されているような空気の中、ある種、時代に逆行するような約180分の大作だが、第77回カンヌ国際映画祭では11分間のスタンディングオベーションを獲得し、フランス国内で940万人を動員したという。重厚長大なものに浸るのも、人生において重要なのだ。
ストーリーは、文豪アレクサンドル・デュマが記した「巌窟王」...