執筆陣
「私の人生を終わらせてくれないか」と、親に頼まれたら? 「安楽死(尊厳死)」をテーマにした一作『すべてうまくいきますように』
1980年代、日本でもアイドル的に親しまれた女優といえばソフィー・マルソー、ブルック・シールズ、フィービー・ケイツあたりだろうか。「そういえば、どうしているのだろう?」と思った方は、ぜひ『すべてうまくいきますように』を観てほしい。往時の面影を残しつつ、すっかり歳月を重ねて、渋みのある女性になったソフィー・マルソーに出会うことができる。監督・脚本は名匠フランソワ・オゾン、2021年度のカンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品でもある。
テーマは「安楽死(尊厳死)」だから、相当に重厚な物語展開になるし、こちらの倫理観が問われているような気分にもなる。ソフィーが扮するエマニュエルは小説...