映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第77回をお送りします。今回取り上げるのは、36年ぶりの続編となる『トップガン マーヴェリック』。伝説のパイロットが新世代のトップガンたちと繰り広げる驚異の空中映像に注目。とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)

【PICK UP MOVIE】
『トップガン マーヴェリック』
2022年5月27日(金)公開

画像1: 【コレミヨ映画館vol.77】『トップガン マーヴェリック』 80年代といまをストレートにつないだ超絶のスカイ・アクション! これはまずは映画館の大画面で体験しよう

 5月24日、神奈川・横浜港でプロデユーサーのジェリー・ブラッカイマーとジャパン・プレミアに出席し、プレスだけではなくファンとの交流にも務めたトム・クルーズ。前日の記者会見につづき、3年10ヵ月ぶり、通算24回目の来日となった。

 作品はもちろん、これが36年ぶりの続篇となった『トップガン マーヴェリック』だ。日本でもIMAXをはじめ、4DX、SCREEN X、4DX SCREENと、各種の形態による上映が予定されている。割高になってしまうけれど、その期待に応えるポテンシャルは充分!

 ぼくは今度はSCREEN Xに挑戦してみようかな。IMAXは映写のヌケもよく、ジェット機の轟音もすばらしい臨場感。あんなひと、こんなひととの会話シーンも味のあるもので、あっという間の上映時間131分だった。

 余裕があれば1986年の前作『トップガン』の復習をしていったほうがいい。クルーズ演じるマーヴェリック大尉の現在の立ち位置や、懐かしい名場面よもう一度などがあるから。

 ここで詳細には触れないけれど、現在は大将に上り詰めたアイスマン(ヴァル・キルマー)とマーヴェリック大尉の陽の陰った部屋での再会は涙々の名シーンだろう。

 2015年ごろから喉頭がんをわずらい以前のように声を出すことが難しくなったヴァル・キルマーとトム・クルーズの抱擁。これも人生だ。『ヒート』や『ドアーズ』でのキルマーの弾けっぷりを思い出す。
 
 マーヴェリックの亡き親友グースの息子役で出演したマイルズ・テラー(『セッション』)をはじめ現代のトップガンたちがクルーズとともに挑むスタントなしの飛行シーンが、思わずあっけにとられる見ものだろう。

画像2: 【コレミヨ映画館vol.77】『トップガン マーヴェリック』 80年代といまをストレートにつないだ超絶のスカイ・アクション! これはまずは映画館の大画面で体験しよう

 IMAX認証のデジタルカメラを計6台、F/A-18スーパーホーネットに搭載。俳優が地上でのブリーフィングを経て、狭い室内でカメラのスイッチを操作したり、照明を調節しながら7G、8G下の撮影に挑んだ。

「全員を無事帰還させる。もうひとりの命も奪わせない」

 音楽はレディ・ガガのロック・バラード「ホールド・マイ・ハンド」をエンディングに、ケニー・ロギンスの名曲「デンジャー・ゾーン」などが並ぶ。パーティ・シーンではデイヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」やT・レックスの「ゲット・イット・オン」が。

 オープニング・シーンからファンの期待に応える名場面が詰め込まれた大娯楽篇。この7月に還暦を迎えるトム・クルーズが贈る大スクリーンで体感するための1本だ。

 最後には1986年版を手がけた故トニー・スコット監督への謝辞の言葉が出る。天国でスコット監督も喜んでいることだろう。

映画『トップガン マーヴェリック』

5月27日(金)より、TOHOシネマズ日比谷、グランドシネマサンシャイン、新宿ピカデリーほかにて全国ロードショー

監督:ジョセフ・コジンスキー
出演:トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、ジョン・ハム、グレン・パウエル、エド・ハリス、ヴァル・キルマー、ルイス・プルマン、チャールズ・パーネル
原題:TOP GUN:MAVERICK
配給:東和ピクチャーズ
2022年/アメリカ映画/IMAX/シネマスコープ/131分
(C)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.

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