OLED(有機EL)がテレビ製品として登場してから約7年になる。2021年、そのOLEDが画質的に第2世代ともいえる飛躍を遂げる。筆者は業界情報を数多く集め、LGディスプレイの新戦略を突き止めた。それは、大飛躍ともいえるほどの技術的チャレンジであった。

 LGディスプレイの立場は明確だ。いまミニLEDが中国を中心に流行ってきている。だがそれはどこまでいっても液晶であり、液晶の持つ、視野角問題、色変動、階調のノンリニアリティはそのまま継続して保有している。それに比べOLEDは遙かに高画質だとするLGディスプレイは、これまで液晶に比べて弱点とされていた輝度を、素材開発+放熱性能向上の合わせ技で、圧倒的に向上させた新世代OLEDの開発に成功。

 素子内部のレイヤー構造を新規設計した新素材採用により輝度を23%上げ、さらにパナソニックの「GZ2000」シリーズで有名になった、放熱効率向上による輝度向上効果を構造(カプセル化)として採り入れ、輝度は53%も合計、向上させた。さらにマイクロレンズを素子内部に複数形成することで、これまで液晶より遙かに広いとされてきた視野角もさらに60%アップさせた。

 サイズも注目。これまでの48、55、65、77、88型に、31、42、83型を加える。性能の飛躍的向上とサイズ追加で、セットメーカーの採用意欲を刺激する構えだ。特に小型の充実は嬉しい。31、42型は考え方としては8Kディスプレイの副産物だ。

 8Kではすでに88、77型がセットメーカーから発売されている。8Kの開発を進めると4Kが小型になる。88型の4分の1サイズは44型、77型の4分の1サイズは33.5型だ。つまり、そこまでの精細度(画素ピッチ)が8Kの進展により得られ、4Kのコンパクト化を惹起するというわけだ。

 2021型新パネルの登場が待ち遠しい。

※写真はLG Displayのサイトで紹介された48型のベンダブル有機ELテレビ

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