ヤマハは本日午後、同社HiFi(ハイファイ)オーディオの新製品発表会を開催した。登場したのはプリアンプの「C-5000」(¥900,000、税別)とパワーアンプの「M-5000」(¥900,000、税別)、ターンテーブル「GT-5000」(¥600,000、税別)となる。発売はC-5000とM-5000が12月上旬、GT-5000が2019年4月の予定だ。これらの製品はIFA2018で先行展示されており、今回は日本国内向けに正式発表されたことになる。
株式会社ヤマハミュージックジャパン AV・流通営業部 部長の野口直樹氏によると、同社は1988年当時のカタログではHiFi機器を中心に紹介しており、マルチチャンネル用のAV機器が顔を出したのが翌1989年だったという。
その後ホームシアターが人気となりAVセンター等のラインナップが増えていったわけだが、もちろんHiFi機器の開発は継続していた。そして2006年の「Soavo-1」や、2007年の「A-S2000/CD-S2000」の発売によって、再びHiFi機器の充実が始まったわけだ。
その後は2013年の「A-S3000」「CD-S3000」「NS-F901」を経て、2016年7月に「NS-5000」スピーカーが登場した。このNS-5000に本日発表された3モデルを加えて、ヤマハの「フラッグシップHiFi 5000シリーズ」が揃ったことになる。
発表会では、同社AV商品企画グループ主事の熊澤進氏と各モデルの開発責任者が登場し、それぞれの特長を解説してくれた。
そもそもなぜ今、ヤマハがハイファイ製品を手がけるのか。熊澤氏は、「音楽ファンのための音楽再生機器」を送りだし、「豊かな音楽体験、深い感動」を提供したいと語った。「ヤマハは楽器も手がけており、音が生まれる瞬間を知っているメーカーです。音楽が生まれて、聞き手に届くまでをトータルに提供します」という言葉は、今回レコードプレーヤーからアンプ、スピーカーまですべてをシリーズで揃えてきた自信の現れなのだろう。
その5000シリーズで目指したサウンドコンセプトは5つ。
1)小さな音でも遠くまで響く、抜けのいい音の解放感
2)音楽のエモーショナルさ
3)演奏者のタイム感、グルーヴ感
4)空間で生まれるハーモニー、響きを表現する音場感
5)音楽的な低域に支えられたゆるぎない音像感
この音づくりと同時に、デザインにも配慮している。デザインコンセプトは、「直感的な操作性」「触る楽しみ」「洗練」「躍動感」「リズム感」といった点で、5000シリーズは、今までのヤマハHiFi製品の復刻ではなく、新しい時代に即したスタイリングを目指しているそうだ。
また5000シリーズのフラッグシップという位置づけについても、「高音質」「高品質」「独自技術」という点に留意し、音楽性の表現や造り込みによる精度感の追究、独自技術の投入を工夫しているとのことだった。
各製品の特長はそれぞれのリポートを参照いただきたいが、発表会の最後にGT-5000、C-5000、M-5000にNS-5000を加えたシステムで、アナログレコードを聴かせてもらった。
女性ヴォーカルやクラシックの合唱曲、ジャズの名盤をじっくり再生してもらったが、いずれもS/Nがよく、音場がとても広い、まさに開放感のあるサウンドを体験できた。スピーカーのNS-5000もこれまで聞いたことがないような反応のいい低音を楽しませてくれた。このあたりが入り口から出口までトータルで音を作った成果なのかもしれない。
ヤマハの5000シリーズは、11月16日から有楽町・国際フォーラムで開催される東京インターナショナルオーディオショウでお披露目されるので、興味のある方は、会場でぜひチェックを。