『エルム街の悪夢』がなかったら、『ロード・オブ・ザ・リング』はなかったかもしれない? 1984年に登場した名作ホラーを、UHDブルーレイで改めて凝視【フィジカル万歳26】
人がまったくの無防備になるとき、それは眠っているとき。そう、夢を見ているときだ。夢とは実に奇妙なもので、どんなおかしなことが起きてもリアルに感じてしまう。とはいえ夢の中でどんな恐ろしいことが起きても、しょせんそれは夢。現実に起こることはない。だが夢の中で襲ってくる殺人鬼の凶行が現実の身にも起きるとしたら……。
そんな逃げようのない恐怖を描いたのがウェス・クレイヴン監督・脚本の『エルム街の悪夢』(84)。1980年代に起こったホラー映画ブームを『13日の金曜日』(80)や『死霊のはらわた』(81)と共に牽引した1本だ。夢の世界で暴れまわる鉄の爪を付けた殺人鬼フレディ・クルーガーは、『悪魔の...