スピーカー部門2（ペア10万円以上 20万円未満［税込11万円以上 22万円未満］）第1位 イクリプス TD508MK4【HiVi夏のベストバイ2025 特設サイト】

録音エンジニアの御用達スピーカー。「正確な音再現」という美質をベースにし、音楽が深く味わえる。『エトレーヌ／情家みえ』の「チーク・トゥ・チーク」では、冒頭のベースのキレ味、音階感、ヴォーカルの質感が格別。眼前歌唱の臨場感が濃く、点音源の良さを活かしながら、音楽性が涵養されている。オーケストラ作品では空間の解像感が優秀。音の広がり感と緻密さが上手く描写される。

磁気回路を強化しアンカーを大型化して耐入力を高め、さらにエッグシェル型のエンクロージャーの容積を拡大して表現力の豊かさを求めた、第4世代機。前作から11年の間に培ったノウハウを随所に活かすことで、音の明快さや実在感が生まれている。

2001年の市場デビュー以来、首尾一貫してエッグシェル・コンストラクションにフルレンジ・シングルコーンを組み合わせたスピーカーシステムを手掛けるイクリプス。なかでも本機は8cmユニットの改良とエンクロージャーの容量アップによって、旧モデルに比べて圧倒的に鳴りっぷりがよくなった。サラウンドシステムを組むにも好適。

MK4となって、がぜん向上した性能で魅せる。前世代までは正直、低域不足が否めず推薦しなかったが、しかし気になっていた低域は見事に充実。鮮明なピッチ感のベースの存在感をはじめ、厚みのある声や楽器の生々しさが新鮮だ。外寸拡張、つまり容積拡大の恩恵が一番だろうが、ユニットもダンパーのリニアリティ向上やボイスコイル周辺の改善を図ったこともポイントだ。

インパルス波に対する俊敏な応答を基本として、通常のスピーカーとは異なる技術手法で「正しい音」の再現力を徹底追求したイクリプスTDシリーズの中堅機。イマーシブあるいは没入感という概念が、しっくり身についた最先端サウンドのお手本である。アトモス等の天井設置時、下向き90度までの角度調整ができるのも特徴だ。

8cmドライバーを使った卵型スピーカーの第4世代となるモデル。一見マイナーチェンジにみえるが、エンクロージャーは内部容積を約400cc増やしており、ドライバーユニットもエッジやダンパーを見直すなど、あらゆる面に改善の手が入っている。よりスムーズな空間の再現性と、生々しいまでの音楽表現力を手に入れた。

これまで同ブランドが提唱してきた理論的な利点が、継続的な技術開発によってより具現化された。エッグシェル形状のキャビネットとフルレンジドライバーによって、歪みの少ない音場や明瞭な音像表現を実現し、高音から低音まで音色の統一感も取得。課題だった低音の量感も改善され、完成度が大きく高まっている。

演奏や作品に込められたアーティストの想いを、あるがままに描き出すイクリプススピーカーの主力モデルだ。ブレのない音像の定位といい、雄大、かつ清々しい空間の拡がりといい、唯一無二のイクリプスワールドは健在。低域の表現力に余裕が生れたことで、楽曲のリズム、抑揚、そしてピッチの変化を的確に描き出していく。素直に、音楽が楽しい！

低域の音圧が向上したことでベースの動きが明瞭に聴き取れるようになり、音楽の躍動感や生命力を伝える魅力が前作以上に際立つようになった。フルレンジドライバーの長所である定位の良さ、立体的な空間再現との相乗効果である。壁や天井取付け時の柔軟性が上がり、設置時の角度調整が容易になった点にも注目したい。

約四半世紀の歴史を持つイクリプス・スピーカーだが、これまで聴いてきた中でもっとも音質向上が著しかったのはこのモデル。インパルス応答に優れた魅力に加え、好ましい帯域バランスを実現し、音色の魅力をアピールできるようになったのが大きい。本機を複数用いたイマーシブ・オーディオ再生のすばらしさをぜひ多くの方にご体験いただきたい。