6Fフロア〈605Aブース〉のYAMAHAでは、最新のヘッドフォン2機種を参考展示していた。どちらのヘッドフォンの試聴も予約が全て埋まるほどの盛況ぶりで、ブースには製品の開発メンバーも参加するなど来場者の質問に丁寧に答えていた。他にも4月に発売したばかりのDENONのイヤフォンや、Bowers & Wilkins(以下B&W)のヘッドフォン、5月に発売が予定されているAstell&Kernの新製品をリポートしてきたので、その内容をお伝えしていこう。

 

YAMAHA(605A)

画像: (左)「YH-4000」、(右)「YH-C3000」

(左)「YH-4000」、(右)「YH-C3000」

 ブースに訪れて、正面に展示されていたのが、2022年発売のフラッグシップモデル「YH-5000SE」の遺伝子を受け継いだヘッドフォン「YH-4000」と、ハイエンドヘッドフォンとしては初の密閉型モデル「YH-C3000」だった。両製品ともに発売日・価格は未定。

 「YH-4000」は「YH-5000SE」と同じ開放型で、YAMAHAが独自開発した平面磁界型のオルソダイナミックドライバーを採用。振動板は軽量で薄く、音の繊細なニュアンスが再現可能という。内部には新設計のPETフィルターを配置し、新たにチューニングが行われている。「YH-5000SE」の筐体設計や装着感を継承しつつ、新開発のイヤーパッド、フィルターを投入したとのことだった。 

画像: 「YH-4000」

「YH-4000」

 「YH-C3000」は、YAMAHA初となる密閉型のヘッドフォンだ。新開発の「アルモダイナミックドライバー」を搭載。YAMAHAの楽器メーカーとしての技術もかけ合わせたことで「ヤマハでしか作れないヘッドフォン」を開発できたと開発メンバーはコメントする。

画像: 「YH-C3000」

「YH-C3000」

 さらにイベント当日は、開発中のヘッドフォンアンプ「HA-3000A」を世界に先駆けて初公開。このサプライズ展示には、来場者から多くの注目を集めていた。

画像: 「HA-3000A」

「HA-3000A」

 最大の特徴は、YAMAHAのHiFi製品でも使われている「フローティング&バランスアンプ」という独自技術を採用した点にある。アースのノイズの影響を受けることなく、より音楽表現に特化したヘッドフォンアンプを実現している。発売日も価格帯も未定だが、2023年11月以来のヘッドフォンアンプのリリースなので、YAMAHAとしはかなり力を入れている製品とのこと。

画像: DAC内蔵でアナログ入力端子はRCAとXLR端子を搭載。その他にUSB-B、同軸デジタル、光デジタル入力も備える

DAC内蔵でアナログ入力端子はRCAとXLR端子を搭載。その他にUSB-B、同軸デジタル、光デジタル入力も備える

DENON、B&W(604)

 6Fフロア〈604〉のDENON、Bowers & Wilkinsブースでは、4月に発売したばかりの新製品を展示。DENONのブースでは、4月2日に発売したばかりのワイヤレスイヤフォン「AH-C500W」、「AH-C840」をそれぞれ試聴することができた。

 両モデル共に、同社ヘッドフォン「Real Wood(リアルウッド)」シリーズにも採用されているバイオセルロース素材を使用した、12mm径のダイナミック・ドライバーを採用しているのが特徴。

画像: DENON「REAL WOOD」シリーズ

DENON「REAL WOOD」シリーズ

 「AH-C500W」はイヤーチップを使用しない開放型のインナーイヤー型で、装着した時のフィット感が心地良く、通勤や通学、スポーツ、自宅など様々な場面で活躍が期待できるイヤフォンだ。

 「AH-C840」はイヤーチップを使うカナル型で、「AH-C500W」とは異なりノイズキャンセリング機能を搭載している。ノイズキャンセリング機能をONにすることで、DENONが誇るハイパフォーマンスサウンドを堪能することができる。

 価格は「AH-C500W」が¥15,000前後、「AH-C840」は¥19,000円前後(いずれも実売価格)となっている。

画像: (左)「AH-C500W」、(右)「AH-CH840NCW」。同じスティックタイプのイヤホンだが、その形状は異なる

(左)「AH-C500W」、(右)「AH-CH840NCW」。同じスティックタイプのイヤホンだが、その形状は異なる

 B&Wのブースでは、春のヘッドフォン祭の開催日4月26日に発売した、ワイヤレスヘッドフォン「Px7 S3」をいち早く体験することができた。

 新製品の「Px7 S3」は前モデルの「Px7 S2e」から、ドライバーユニット以外の全ての部品をモデルチェンジしている。一目見ただけでは大きな違いに気付くことはできないが、前モデルの「Px7 S2e」と比較試聴することで大きな違いがあることがわかった。

画像: (左)「Px7 S2e」、(右)「Px7 S3」

(左)「Px7 S2e」、(右)「Px7 S3」

 装着感としては「Px7 S2e」に比べてイヤーパッドの密閉感が強く、外部の騒音がよりシャットダウンできているように感じた。さらに外部の音を取り込むマイクの数が6っから8っに増えており、ノイズキャンセリング機能の向上も静音性能に大きく影響を与えているようだった。

 ブース担当者によると、前モデルに比べてイヤーパッドが薄くなったにも関わらず、耳にフィットする角度を調整して前モデルと変わらないような付け心地に設計されているとのこと。音質に関しては、解像度の高い美しい音に加え、ステージ感や空間感をよリアルなサウンドで体感することができた。

画像: 「Px7 S2e」装着時。イヤーパッドに指を入れると、指が1本程度のゆとりが生まれる

「Px7 S2e」装着時。イヤーパッドに指を入れると、指が1本程度のゆとりが生まれる

画像: 「Px7 S3」装着時。イヤーパッドのフィット感が強化されて密閉度が増した

「Px7 S3」装着時。イヤーパッドのフィット感が強化されて密閉度が増した

 デザインに関しても、装着時の頭の形をきれいに見せるスタイリッシュなデザインを追求しており、実際に装着してみると頭の頭頂部から耳の先までぴったりとフィットし装着感は抜群だった。

 ブース内では「Px7 S3」を身に着けたブランドアンバサダー、デビッド・ベッカムの広告が設置されており、来場者に大きなインパクトを与えていた。

▼Bowers & Wilkins「Px7 S3」製品紹介ページ

アユート(605B)

 6Fフロア〈605B〉のアユートブースでは、次世代のオーディオプレーヤーモデルとして作られたAstell&Kern「PD10」が世界初の参考展示されていた。

画像: Astell&Kern「PD10」

Astell&Kern「PD10」

 デジタル信号とアナログ信号処理を完全分離したHEXAオーディオ回路構成で、DAR機能、クロスフィード機能、自動アンプマッチングのスマートゲイン機能など、様々な機能が搭載されている。

 外出時はポータブルオーディオとして、自宅ではリビングのプレーヤーとしても使えるように、ドッキングクレードルが付属されているのもポイント。発売は2025年5月中予定で、販売予定価格は44万円前後になる見込み。

画像: 「PD10」付属のドッキングクレードルは、XLR出力にも対応している

「PD10」付属のドッキングクレードルは、XLR出力にも対応している

 ULTRASONEからは、5月に発売予定のヘッドフォン「VIRTUOSO」の試聴が人気を集めていた。既製品の「Signature MASTER MkII」をベースに開発されたモデルで、「Astell&Kern」とコラボレーションして作られたアルミニウムボディのデザインが特徴的だった。販売予定価格は14万前後とのこと。

画像: ULTRASONE「VIRTUOSO」。4.4㎜バランス接続に対応しているところもオーディオファンには嬉しいポイント

ULTRASONE「VIRTUOSO」。4.4㎜バランス接続に対応しているところもオーディオファンには嬉しいポイント

▼ULTRASONE「VIRTUOSO」製品紹介ページ

 ULTRASONEのヘッドフォンの他にも、SENDY AUDIO、qdcのヘッドフォンやイヤフォンの試聴をすることができた。

画像: ULTRASONEブース内の模様

ULTRASONEブース内の模様

画像: SENDY AUDIOブース内の模様

SENDY AUDIOブース内の模様

画像: qdcブース内の模様

qdcブース内の模様

This article is a sponsored article by
''.