今年のOTOTEN B1Fの展示で多くの来場者が足を止めていたのが、鹿島建設のブースだった。そこには立体音響を再生できるバータイプのスピーカー「OPSODIS 1」が展示されており、その効果を体験しようという来場者が列を作っていた。OPSODISという技術はこれまでもいくつかの製品に採用されているが、今回の新製品は何が違うのか? さらに鹿島建設というある意味異業種の会社がなぜスピーカーを販売するのか? そんな素朴な疑問を解消すべく、麻倉怜士さんと一緒に東京・赤坂にある同社オフィスにお邪魔した。対応いただいたのはOPSODIS LIMITED Tokyo Office 事業推進統括部長の村松繁紀さんと、営業統括部長の渡邊明彦さんだ。(StereoSound ONLINE編集部)

立体音響スピーカー:OPSODIS 1 ¥74,800(税込)

画像1: 小型&シンプルなワンバースピーカーで、ここまでの立体感が再現できるのか! 鹿島建設の新挑戦「OPSODIS 1」に込められた思いを聞いた:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート116

 OPSODIS 1は8月31日(土)まで、クラウドファンディングのGREEN FOUNDINGで支援を募集している。開始直後から大きな反響があり目標額もクリアー、小型サイズで立体音響が楽しめる製品について、多くのユーザーが関心をもっていることが証明された形だ(8月6日時点の支援人数は2383名)。

 現在は7%オフのアドバンスセール(¥69,400、税込、650台限定)と、8%オフの早割2台セット(¥137,600、税込、2台セット)の募集を行っている。なおプロジェクト期間中、SHIBUYA TSUTAYA及び蔦屋家電+にて「OPSODIS 1」の試聴体験が出来る実機の展示も行われているので、興味のある方は現地まで足を運んでいただきたい。

画像2: 小型&シンプルなワンバースピーカーで、ここまでの立体感が再現できるのか! 鹿島建設の新挑戦「OPSODIS 1」に込められた思いを聞いた:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート116

「OPSODIS 1」の主なスペック
●チャンネル数:2チャンネル●対応音声フォーマット:リニアPCM●スピーカー構成(片チャンネル):20mmトゥイーター、25mmミッドレンジ、50mmウーファー、パッシブラジエーター(57×84mm)●再生周波数特性:55Hz〜20kHz(-6dB)●消費電力(待機時):0.5W以下●入力:Bluetooth(SBC/AAC)、USB Type-C、光デジタル入力、3.5mmアナログ入力●ワイヤレス関連:Bluetoothバージョン 5.0●寸法/質量:W382×H80×D130m(脚部含む)/2.5kg

クラウドファンディングのサイトはこちら ↓ ↓

https://greenfunding.jp/lab/projects/8380

麻倉 今日はよろしくお願いします。小型スピーカーの「OPSODIS 1」は先日開催されたOTOTEN会場でも大人気でしたね。しかし、まさか鹿島建設がスピーカーを発売するとは思いもしませんでした。まずはその経緯からお聞かせ下さい。

村松 ご興味を持っていただき、ありがとうございます。鹿島建設でOPSODISを担当している村松です。

 鹿島建設は1840年、今から184年前に創業しました。その20年後には横浜の外国人居留地の洋風建築の3分の2を建て、さらに20年後には、横浜から新橋まで、日本で初めて鉄道を敷くための仕事も手掛けています。

 戦後になってからは、日本最初の高層ビルといわれる霞が関ビルも弊社が建設を受け持ちました。さらに1949年には、建設会社としては初めて、独自の技術研究所を創設しています。

 そこでのテーマのひとつとして、騒音と振動をどうやって解決するかという研究を始めています。それから74年、騒音対策から始めて、室内の響きをどうするかということについての研究を続けてきました。

麻倉 74年ですか。そんな歴史があったとは知りませんでした。

村松 もちろん、音響に関連した建物も多く手掛けております。特に音楽ホールは、完成してから音がイマイチとなったらたいへんなので、図面の段階でコンピューターシミュレーションを行います。ただ、その結果は色とか数字で表現されるので、研究者はだいたい想像ができても、お客様はよくわからないんです。

 それを何とか解決しようということで、OPSODISを搭載したスピーカーを開発しました。これにシミュレーションの結果を入力すると、その条件の音が出てきますので、それをお客様に聴いていただくという形で設計時のツールとして使っていました。

 この席ではバイオリンはこういう風に聴こえますとか、1階に移動するとこんな音になりますといった具合です。また反響板を入れるとこんな風に変化しますといったことも音で聴いてもらえるので、お客様にも喜んでいただいています。

画像: 「OPSODIS 1」の理想的な視聴位置に座り、トレーラーやデモソフト、動画ストリーミングサービスなどをじっくりチェックした

「OPSODIS 1」の理想的な視聴位置に座り、トレーラーやデモソフト、動画ストリーミングサービスなどをじっくりチェックした

麻倉 OPSODIS 1も、そういった目的で使われていたスピーカーなのでしょうか?

村松 いえ、OPSODIS 1は家庭用として新たに開発しました。もともとOPSODISという名前は「OPtimal SOurce DIStribution」の頭文字をつなげた造語です。

 鹿島技術研究所の武内 隆が、英国サウサンプトン大学に社会人留学をしていた時に発明した技術で、彼と大学の担当教授・ネルソン氏の連名で特許を取りました。以来20年以上、技術研究所とサウサンプトン大学が共同で研究開発を続けています。

麻倉 それが今回なぜ、家庭用モデルとして発売されることになったのでしょうか。

村松 私は設計者として鹿島に入社しました。ところが2002年に、鹿島の社員が開発したスピーカーあるから聴いてみないかとう案内が来たんです。もともと音楽が好きだったので参加してみたら、目の前に小さなスピーカーが置いてあるだけなのに、すごくリアルな音が聴こえました。びっくりして、ずっとその事が忘れられませんでした。

 そして今から5年ほど前、社内の飲み会で相席になった人が技術研究所で音の研究をしていたんです。その時にOPSODISの話をしたら、今でも研究を続けていますと言われて驚きました。そこから、鹿島にはOPSODISという凄い技術があるということを社内で触れ回っていたら、ある日副社長に呼ばれて、OPSODISを担当するように言われたんです(笑)。

 当初はオーディオブランドと組んで商品化しようと考えて、あちこちに打診をしてみたんですが、どこも話に乗ってくれませんでした。結局自社で作るしかないということになったのですが、そこから社内を説得するのがたいへんでした。

麻倉 確かに、鹿島が民生用商品を発売したことはありませんからね。

画像: 「OPSODIS 1」の筐体は厚さ5mmのアルミ押出材から成形されている。写真右上が試作モデルで、左下が製品版。ユニットの取り付け位置が変更されている

「OPSODIS 1」の筐体は厚さ5mmのアルミ押出材から成形されている。写真右上が試作モデルで、左下が製品版。ユニットの取り付け位置が変更されている

村松 OPSODIS 1のような家庭用製品は184年の歴史で初めてだと思います。といってもすぐにスピーカーを作ることはできませんので、渡邊のような経験者をチームに迎えました。

渡邊 OPSODIS 1の開発を担当した渡邊です。以前はオーディオメーカーでスピーカー開発に関わっていました。今回は製品企画から携わっています。

麻倉 OPSODISの技術としてのゴールは、開発当時から3次元、イマーシブの世界だったわけですか?

村松 もともと「最小限のスピーカーで立体音を再生する技術」を目指していました。そもそもステレオ再生は、L/Rの2本のマイクで録音した音を2本のスピーカーで再生することで、スピーカーの真中に音像を定位させるものです。

 これに対し、立体音場再生で使われるバイノーラルはダミーヘッドマイクを使い、耳たぶや顔の凹凸で変形した音を鼓膜の位置で録音します。そしてその音をイヤホンやヘッドホンで再生することで立体を感じるという仕組みです。

 ただ残念ながら、バイノーラル音源をスピーカーで再生すると、L/Rの音が混ざってしまって空間情報が再現できず、立体的に感じられないのです。そこでOPSODISでは、スピーカーで再生した場合でもL/Rの音が混ざらないようにして、ちゃんと立体的に感じられる技術を開発しました。

麻倉 OPSODISを搭載したスピーカーなら、バイノーラル録音された音を立体音場で楽しめると。具体的にはどんなことをやっているのでしょう。

村松 OPSODISでは、音の帯域別にスピーカーを配置する必要があります。例えば周波数が高い部分(高域)は聴取角度が狭いので、トゥイーターは内側に配置するという具合です。本当は周波数帯域をもっと細かく分けて、沢山のスピーカーを並べていくのが理想ですが、それではスピーカー本体が大きくなってしまい、家庭用として相応しいのかという問題がでてきます。

麻倉 OPSODIS 1は3ウェイですが、これが最小構成なんですか?

画像: 音の周波数に応じて聴取者の耳からの距離と聴取角度が異なるので、それに合わせて最適なユニット位置を検証したとのこと

音の周波数に応じて聴取者の耳からの距離と聴取角度が異なるので、それに合わせて最適なユニット位置を検証したとのこと

村松 2ウェイでもできなくはありませんが、商品としては3ウェイが最適だと考えました。実際に、これまで他社さんから発売されたOPSODIS搭載スピーカーもすべて3ウェイ構成です。

麻倉 これまでOPSODISスピーカーを発売したのは、マランツとシャープでしたね。

村松 マランツからは、2005年にアンプとスピーカーのセット「ES-150」が、さらに2007年にはサウンドバー「ES7001」が登場しました。その後2020年にシャープから22.2ch対応の「8A-C22CX1」、2023年にネックスピーカー「AN-SX8」が発売されています。海外では2012年にSherwoodというブランドの「S-7」「S-9」というサウンドバーも発売されました。

 続いてOPSODISの技術でポイントになるのが、クロストークキャンセルです。先ほどステレオ再生でバイノーラルや音源を再生するとL/Rの信号が混ざってしまうと申し上げました。そこについてOPSODISでは、L/Rの分離を保ったまま打ち消す方法を発見したのです。

 一般的にクロストークとは、左スピーカーの音が左耳に届く際に、その音が右耳に少し遅れて、かつボリュウムも小さくなって届く状態を指します。これをキャンセルするには元の信号と逆の波形を再生して打ち消せばいいのですが、理論通りにキャンセルするのは難しく、なかなかうまくはいきません。

 そこでOPSODISでは、例えば「1」の音を聴かせたい場合には、左スピーカーから「0.5」の音を出します。その音は、聴取者の左耳には「0.5」の強さで、さらにちょっと遅れて右耳に届きます。ここで、右スピーカーから同じ「0.5」の音を、位相をマイナス90度ずらして再生すると、右耳では打ち消し合って「0.5-0.5=0」になり、左耳に届く時は同相で合成されて「0.5+0.5=1」になるという仕組です。これには、スピーカーの視聴距離が一定の条件を満たしている必要があります。

麻倉 ということは、OPSODIS 1を楽しむに際は、スイートスポットに座ることが重要ですね。

村松 おっしゃる通りです。さらに波形の大きさ(周波数)によっても聴取者との位置関係が変わるので、高音・中音・低音のユニットを本体のどこに取り付けるかは、たいへん重要でした。

麻倉 なるほど、ユニットの位置が微妙に異なっているのは、そういった理由があったんですね。

画像3: 小型&シンプルなワンバースピーカーで、ここまでの立体感が再現できるのか! 鹿島建設の新挑戦「OPSODIS 1」に込められた思いを聞いた:麻倉怜士のいいもの研究所 レポート116
画像: 一般的なクロストークキャンセリング(上図)と、「OPSODIS 1」でのそれとの違い

一般的なクロストークキャンセリング(上図)と、「OPSODIS 1」でのそれとの違い

村松 もうひとつ、ステルス・スピーカーにもこだわりました。OPSODIS では360度の音場を再現するので、スピーカーの存在を忘れてほしいという思いもあります。そこでアンプの信号処理と聴取空間の伝達特性を使って、両耳に届く音を制御して、スピーカーの存在を消してしまうというものです。

 そのために、スピーカーの音が人の耳に届くまでの伝達特性を無響室で測定する必要がありますが、サウサンプトン大学にある無響室は世界最高峰と言われています。そこでは誤差がひじょうに少ないデータが取れますので、20年間データを蓄積してきた成果を活かすことができます。

麻倉 ところで、OPSODISの技術はあくまでも音場をどう作るかであって、そもそも音質的に優れたユニットやアンプを使わないと、いくら立体感再現が優れていても製品としては物足りないことになりますよね。

村松 おっしゃる通りです。その点はわれわれも意識してきました。

渡邊 マランツES7001のいい音を聴いて、もともとの音質がしっかりしていないといくら立体感を加えても駄目だということを痛感しました。その思いは開発陣の間では早い時期から共有できていたと思います。

画像: 聴取者にスピーカーの存在を感じさせないための工夫も盛り込まれている

聴取者にスピーカーの存在を感じさせないための工夫も盛り込まれている

村松 さらにOPSODIS 1では、小型化と2ch専用にこだわりました。というのも、OPSODISという技術を多くの人に知ってもらい、立体音場をこんなに手軽に楽しめるんだということを、広めたかったんです。

 そのためにもスピーカーは小型で、機能はなるべくシンプルにして、価格も抑えたかった。クラウドファンディングを実施したのも、とにかく多くの人の目に触れさせたいという目的がありました。

麻倉 そのクラウドファンディングも順調だそうですね。

村松 はい、お陰様で目標は大幅にクリアーしています(編集部注:8月15日時点で184,923,994円の支援を達成)。

麻倉 そのOPSODIS 1の仕様について教えて下さい。

村松 横幅38.2cmのコンパクトなバータイプで、3ウェイスピーカーを搭載しています。さらに側面にパッシブラジエーターを備えており、豊かな低域を再生できます。先ほど申し上げた通り、音質にこだわらなくてはダメだと考えていましたので、そこはしっかり追求しました。

 具体的には、スピーカーユニットはカスタム品を使っています。それをL/Rで合計6
基搭載し、それぞれのユニットに出力20Wのアンプをあてがったマルチドライブで駆動しています。入力は BluetoothとPC接続用のUSB Type-Cコネクター、さらにアナログ3.5mmと光デジタル入力を備えています。

麻倉 HDMI端子はないんですか? HDMI ARCが使えると便利ですよ。

村松 HDMI端子をつけるスペースがなかったので、ここは割り切りました。テレビとは光デジタルケーブル、又はアナログ3.5mmでつないでいただければと思います。

画像: 「OPSODIS 1」は3種類の再生モードを備えている。写真中央のボタンを押すことで、「Wide」「Narrow」「Simulated Stereo」を切替可能

「OPSODIS 1」は3種類の再生モードを備えている。写真中央のボタンを押すことで、「Wide」「Narrow」「Simulated Stereo」を切替可能

麻倉 OPSODIS 1では、再生モードを選べますか?

渡邊 立体音場用として「Narrow」と「Wide」のふたつのモードがあり、他に「Simulated Stereo」モードではステレオ音源を2本の仮想スピーカーで再生します。2chソースだけど、空間情報を持っていて立体音場で聞いた方が心地いいなと思う時は、「Narrow」や「Wide」を選んでいただきたいと思います。

麻倉 配信コンテンツはどうでしょう?

村松 映画のサブスクサービスなどは、マルチチャンネル音声を2chに変換して配信されていることが多いので、空間情報を持っています。そういったソースはサラウンド感充分にお楽しみいただけます。

麻倉 では、そろそろOPSODIS 1の音を聴かせていただけますか。

村松 承知しました。立体感再現の効果が一番高いのは、OPSODIS 1の正面、ユニット面から45度の角度で視聴距離60cmほどの位置になります。まずはダミーヘッドで録音したデモコンテンツを再生します。

麻倉 音がしっかりしていますね。こういったバーチャル的に立体感を再現する製品は、DSP処理を行う弊害で音が悪くなりがちですが、OPSODIS 1は基本の音がいい。しかもダミーヘッドの音源をヘッドホンで聴いた時と同じような包囲感もありました。

村松 ありがとうございます。音場の遠近感も一台のスピーカーで表現できるのがOPSODISの特長です。足音がだんだん近づいてくるなど、なかなか難しいソースだと思うんですが、OPSODIS 1ではきちんと再生できます。

 とはいえ、ダミーヘッド音源でこういう事ができますと言っても、なかなか一般性がないのも事実です。そこで次に、YouTubeからダウンロードしたマルチチャンネルで作られたプロモーション動画を再生します。このような空間情報を持っている音源であればOPSODIS 1で立体的に楽しめることをご確認ください。

画像: 「OPSODIS 1」の商品コンセプト

「OPSODIS 1」の商品コンセプト

麻倉 確かに凄い立体感ですね。配信経由ということですから、各社がマルチチャンネル音源を2chにダウンミックスしているんですね?

村松 YouTube用に、各社がマルチチャンネルで製作した音源を2ch変換したものだと思います。

麻倉 若干ふわっとした音場ですが、YouTubeの音源をこんな風に楽しめるのはいいですね。ちょっと気になったのは、映画のサウンドデザイナーが狙った定位を必ずしも忠実に再現できているわけではないかな、ということです。オブジェクトの定位が若干甘いようにも思いました。

渡邊 もともとヘッドホンで聴くための音場をスピーカーでも楽しんでいただきたいという狙いがありますので、ディレクターズインテンションとは少し違ってくるかもしれません。

麻倉 動画配信サービスから『トップガン:マーヴェリック』やビートルズのライブも再生してもらいましたが、音像がしっかり出てきました。小型スピーカーでは、なよっとするか、どんしゃりの音になりがちですが、OPSODIS 1はバランスもいいし、やはり基本的な音質が優れています。

渡邊 その点は一番こだわった部分ですので、嬉しいです。

麻倉 2chの定位感がいいので、ヴォーカルの音像もしっかりして、足が地についている感じがしました。一体型でユニットを横配置したモデルですから、2chソースでも何らかの処理は避けられません。にも関わらず、聴き手に音的な不安感を与えないのが素晴らしいと思います。

 立体音場の効果を加えると、広がり感は加わるんだけど、曖昧な感じも少し出てきますね。ヴォーカルがセンター定位しているソースで、ちょっと浮遊感がでてくる印象もありました。ごくわずかですが、こういった変化を抑えていけるといいですね。

村松 OPSODISの効果はフィルター処理で調整できます。今回も開発側は数種類の特性の異なるフィルターを作っており、その中には立体音場であっても定位をピシッと追い込んだものもありました。OPSODIS 1ではその中から、立体感を得やすい、若干定位がゆるめのモードを選んでいます。

画像: 取材に対応いただいた方々。写真左端がOPSODIS LIMITED Tokyo Office 事業推進統括部長の村松繁紀さんで、右端が営業統括部長の渡邊明彦さん

取材に対応いただいた方々。写真左端がOPSODIS LIMITED Tokyo Office 事業推進統括部長の村松繁紀さんで、右端が営業統括部長の渡邊明彦さん

麻倉 定位感に優れたフィルターと、立体感再現が得意なフィルターのふたつを搭載することはできないんですか?

村松 そんなことはないんですが、定位感を重視したフィルターの音は、これから音楽を聴くぞ! と構えた視聴スタイルに近づいていく気がしました。OPSODIS 1は、若い世代にリラックスして聴いてもらえる製品にしたいなと思っていたので、今回はこちらを選んでいます。その意味で、耳が肥えている方には物足りなくなってしまったのかなと、お話をうかがって考えていました。

麻倉 そのニーズもわかりますが、若い人にいい音を聴いてもらう機会を提供するのもメーカーの責任です。OPSODIS 1のような製品で高音質を体験して、さらなる高みを目指してもらうのも大切だと思います。

 OPSODIS 1は、このサイズで立体音場を再現するアイテムとしてひじょうに優れていると思います。クラウドファンディングが好評というのも当然でしょうし、初めてこの音を聴いたらみんな驚くはずです。製品ゾーンとしてはサウンドバーと競合することになるでしょうが、逆にそこには大きな可能性があるでしょう。

 そもそも今のテレビの音はどれも駄目なので、みんな困っています。でもサウンドバーで高音質な製品は実は少ない。その点OPSODIS 1は2chの音はしっかりしているし、立体再現の効果もあります。サウンドバーとも充分に渡り合っていけるクォリティを備えているでしょう。

村松 ありがとうございます。たいへんうれしいお言葉です。

麻倉 少し気が早いですが、上位モデルではHDMI ARCに対応して、テレビからのデジタル音声をきちんとデコードし、その信号をOPSODIS流儀で立体に復元できるようにして欲しいですね。そうすれば、OPSODISの効果がより活きてくるはずです。

 最終的には建築業界まで取り込んで、建物の中にOPSODISスピーカーが埋め込んであるという世界を実現して欲しい。スピーカーの存在を感じさせない、音のいいマンションですね。そういう切り口で建物自体の価値が上げられるとしたら、大きな可能性を秘めていると思いますよ。

※クラウドファンディングのサイトはこちら

https://greenfunding.jp/lab/projects/8380

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