PDNは、BLUESOUNDの新製品ハイレゾミュージックストリーマー「NODE X」を発売する。想定市場価格¥120,000前後で、日本国内120台限定。5月から予約を受け付けている。

 先日のBLUESOUNDのプロダクトマネージャー、Matt Simmonds(マット・シモンズ)氏インタビューでもご紹介した通り、BLUESOUNDはブランド誕生10周年を迎え、近年ではその音質、利便性、価格が人気を集めてハイレゾ・ストリーミングの代名詞にもなっている。

画像: シルバー仕上げの「NODE X」

シルバー仕上げの「NODE X」

 もともとはカナダのLenbrook(レンブロック)が所有する「NAD」と「psb SPEAKERS」というふたつのハイエンド・オーディオブランドの技術を活かし、最近のデジタルソースを中心としたオーディオ鑑賞スタイルに適した製品を作り出そうという思いから2013年に誕生したという。その第一弾モデルから独自のモジュールセットや操作アプリを自社開発・搭載するなど、独自性を強く打ち出している。

 日本では2019年に「Node 2i」が発売され、ワイヤレスやハイレゾ再生を手軽に高品質で楽しみたいというユーザーからの支持を集めてきた。現在はストリーマーの「NODE」、プリメインアンプ一体型の「POWERNODE」「POWERNODE EDGE」、音楽ライブラリー「VAULT 2i」やストリーミング対応ワイヤレススピーカーをラインナップしている。

 今回の新製品NODE X(エックス)は期間限定10 周年記念モデルで、現行「NODE」の製品設計の一部を見直し、オーディオパフォーマンスとユーザビリティの新しいスタンダードを目指したモデルだ。LANやHDMI ARCから受け取った信号をアナログやデジタル端子から出力するストリーマーで、独自のBluOSによる快適な操作性も人気の秘密だ。

画像: 左が「NODE X」で、右が既発売の「NODE」。本体サイズや重さは同じ

左が「NODE X」で、右が既発売の「NODE」。本体サイズや重さは同じ

 第一の変更点は、DACチップにESS 9028Q2M Saber DACを搭載したこと。これまではバーブラウン製のDACチップが使われていたが、今回はオーディオファンに人気の高いESS製に載せ替えている。これに合わせてデジタル基板も一新されており、音作りという点でも変化していることが期待される。

 対応信号は最大192kHz/24ビットのリニアPCMで、DSDソースはリニアPCM変換して再生する仕組みだ。サポートハイレゾフォーマットはFLAC、WAV、AIFF、MPEG-4 SLSFで、さらにMQAのデコードも可能。

 もうひとつ、BLUESOUNDとして初めてTHX AAA(THX Achromatic Audio Amplifier)ヘッドホンアンプを搭載している。これはフィードフォワード・エラー補正機能を備えた回路で、きわめて低いレベルのノイズ、歪み、電力消費量を実現したものだ。同時にヘッドホン端子も6.35mm標準ジャックに変更されている(従来は3.5mmジャック)。

画像: 「NODE X」の背面端子

「NODE X」の背面端子

 ちなみにNODE Xの本体サイズはこれまでのNODEとまったく同じで、本体点面の表示部や背面の接続端子も変わっていない。端子等での違いはこのヘッドホンジャックだけということになる。ただしNODE Xに本体はシルバー仕上げが採用されているので、間違えることはないだろう。

 もうひとつ、従来オプションで発売されていた赤外線リモコン「RC1」が同梱されているのもポイントだ。外箱も10周年記念専用パッケージとしてデザインされたものだという。

 背面端子は上記の通りNODEと同一で、eARC対応HDMI端子とデジタル出力2系統(光、同軸)、3.5mm光&アナログ兼用入力、USB Type-A、LAN端子、アナログ音声出力(RAC)、サブウーファー出力(RCA)等を備える。

 BluetoothのコーデックはaptX HDにも対応済で、さらに送信機能も搭載しているのでBluetoothヘッドホンと組み合わせて音楽を楽しんでもいい。デュアルバンドWiFi機能も内蔵しているので、ワイヤレスでSpotifyやAmazon Music、qobusといったストリーミングサービスも再生可能だ(別途契約は必要)。

画像: これまでオプションだった赤外線リモコンを付属する

これまでオプションだった赤外線リモコンを付属する

 先に開催された説明会で、NODE Xの音を体験することができた。NODE Xのアナログ出力を管球式プリアンプ「EAR 912」に入力し、パワーアンプのファンダメンタル「MA10」を使って、パラダイムのブックシェルフスピーカー「PERSONA B」をドライブするという豪華なシステムだ。現行モデルのNODEもEAR 912につないでもらい、音の違いを確認させてもらっている。

 ストリーミングサービスからイーグルス「ホテル・カリフォルニア(Remaster 2018)」を再生してもらう。現行NODEでもギターの滑らかさ、ドン・ヘンリーのヴォーカルの寂しげなニュアンスなどとても魅力的に再現される。ストリーミングでこれだけの再生ができるのは、ひじょうに魅力的だ。

 NODE Xでは曲の印象が確かに変化する。まず音場の透明感が増して、S/Nが向上したように感じられる。ギターの細かな残響、消え際もわかりやすくなり、ドラムの低域の再現にもゆとりが感じられる。音場の広さなどはNODEもNODE Xも大きな違いはないのだが、NODE Xではステージ側の奥行がでてきて、より立体的な音楽再現と感じた。

画像: PDNの試聴室にセットされた再生機。ラック下段にNODEとNODE Xを準備してもらい、プリアンプ「EAR 912」で信号を切り替えて比較試聴させてもらった

PDNの試聴室にセットされた再生機。ラック下段にNODEとNODE Xを準備してもらい、プリアンプ「EAR 912」で信号を切り替えて比較試聴させてもらった

 続いてジェニファー・ウォーンズの「ロック・ユー・ジェントリー」を再生してもらうと、NODEでは少し可愛らしいニュアンスのヴォーカルに聴こえるのに対し、NODE Xでは声がもっとクリアーに響いて、繊細感も出てくる。どちらかというと落ち着いた大人の歌い方という印象に変化した。

 実はスピーカーでの試聴に先立って、ヘッドホンでの音の違いも聞いてみたのだが、こちらの方がNODEとNODE Xの差がよりわかりやすく(変化の方向はスピーカー再生時と同様)、ハイレゾ音源の情報量、ディテイルまでの再現性を聴き取りたいという方ならNODE Xを好むだろうと感じた次第だ。

 今回のNODE Xは限定生産モデルで、上記の通り日本では120台限定となっている。既に生産は完了しており、これから日本に向けた出荷が始まるそうだが、発売前から人気が高く一部には予約受け付けが終了している店舗もあるという。NODE Xでスマートにハイレゾを楽しんでみたいとお考えの方は、早めの決断が必要です。

画像: パワーアンプはファンダメンタル「MA10」、スピーカーはパラダイム「PERSONA B」

パワーアンプはファンダメンタル「MA10」、スピーカーはパラダイム「PERSONA B」

「NODE X」の主な特長
●プレミアムESS SABRE HIFI DAC搭載
●THX AAAヘッドホンアンプ
●6.35mm 標準ジャック・有線ヘッドホン出力
●ワイヤレスBluetoothヘッドホン出力
●クアッドコア1.8GHz ARM CORTEX A53
●BluOSワイヤレス・マルチルーム配信対応
●MQA&ハイレゾ・ストリーミング
●AIRPLAY 2搭載
●デュアルバンドWI-FI+GIGABITイーサネット
●双方向 aptX HD Bluetoothコーデック
●IRリモコン学習機能
●IR入力
●プリセット付きタッチコントロール
●シルバー仕上げ
●寸法/質量:W220×H46×D146mm/1.09kg

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