LGディスプレイの有機EL・画質改善の第2弾が明らかになった。昨年の2022年の第2世代パネル「OLED.EX」がその第1弾(EXとはEvolution=進化とeXperience=体験の頭文字)。寿命を長期化させる重水素効果により、ピーク輝度を30%高めたることに成功したものだ。2022年の各社の有機ELテレビは、その前年モデルより格段のクォリティアップを実現していたが、それはOLED.EXの力に支えられていたことは、疑問の余地がない。

 それに続く第2弾が、2023CESで発表された、マイクロレンズアレイ技術を採用した第3世代の有機ELパネルという位置づけだ。極小のレンズ群を有機EL発光層の上に被せることで、光の利用効率を格段に上げたのである。

画像: 左が迷光により、光の取り出しが少ない。右のMETA パネルは、光を前方に押し出す

左が迷光により、光の取り出しが少ない。右のMETA パネルは、光を前方に押し出す

 これまでの構造では、発光層から出た光の多くがパネル内部での迷光反射によって外に発出できず、高輝度化にも限界があった。

 そこで、マイクロメートルサイズの凸レンズの層=マイクロレンズアレイを有機ELレイヤーの上に置くことで、光を強制的に前方に向けさせるという仕組を開発したのである。その数は超多い。77インチ(4K)の場合、1画素あたり 5,117個、合計424億個のマイクロレンズの層が形成されるという。

 さらにMETA Boosterという高輝度アルゴリズムも加えた。シーンごとに輝度情報を精密に分析し、輝度ピークをさらに最大化する。正確に言うと、「マイクロレンズアレイ+META Booster」がMETA技術ということになる。

画像: 77型の8K有機ELバネルの2023年モデルはMETAだ

77型の8K有機ELバネルの2023年モデルはMETAだ

 効果はどうか。最大の収穫が輝度向上だ。昨年のOLED.EXパネルでは、ピークが1,300nitsだったが、2023年のMETA技術搭載パネルでは60%の輝度向上が実現し、2,100nitsを得た。さらに視野角も改善した。もともと自発光デバイスとして、液晶より遙かに広い視野を持っていたが、トンボの目が数百万個の凸レンズを通して広い世界を見るように、マイクロレンズアレイ効果により、視野角はOLED.EXより30%拡張させることに成功した。

 その画質効果は格別だ。パナソニックの新フラッグシップ4K有機ELテレビ「MZ2000」は第3世代パネルを搭載し、ピーク輝度は2,000nitsを超す勢いだ。その画質は、ひじょうにクリアーで尖ったもの。白側のパワーと質感は、これまでに見たこともないようなものであった。今後、他の日本メーカーの採用動向も明らかになるだろう。

 今後の新世代のデファクト・スタンダードな有機ELデバイスとして、大いに注目したい。

画像: パナソニックの新フラッグシップ4K有機ELテレビ「MZ2000」

パナソニックの新フラッグシップ4K有機ELテレビ「MZ2000」

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