スマートホンは、いまや世代、性別、地域の垣根を越えて広く浸透し、コミュニケーションツールとしてのみならず、日々の生活に欠かせないキーデバイスになっています。その傑出した能力は、当然ながら音楽再生の分野でも遺憾なく発揮されています。
ここでは、5月に小社から発行したムック「かんたん、わかりやすい スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本」の中から、スマホを音楽の再生機として、ハイレゾ音源の醍醐味を体験するための知識、ノウハウ、システムづくりのあり方などを紹介した記事を、順次掲載していきます(全36回を予定)。
最終回となる本記事では、CAST機能を使ってYouTubeをスマホで検索し、テレビで楽しむ方法をお届けします。
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スマホで検索、テレビで再生。便利なCAST機能でYouTubeを楽しもう
Netflix、Amazon Prime Video、YouTubeと各種ストリーミングサービスが人気を集め、これにあわせて家庭用テレビのインターネット対応が進んでいる。当然ながら、テレビをネットに接続するユーザーも増える傾向にあり、すでにリモコンのボタンひとつで、お目当てのネット動画が呼び出せるという方も少なくないだろう。
テレビだけで多彩なネット動画が楽しめるのは確かに便利だが、唯一、ネックになるのが検索時の操作性だ。特にYouTubeの視聴ではキーワードからお目当ての動画を探し出すことが多く、画面を見ながらリモコンで文字を選んでいく操作は、とても快適とは言えない。
そこで提案したいのがスマホで検索して、テレビで再生するというCAST(キャスト)機能の活用だ。スマホのYouTubeアプリから動画を再生中、CASTマークをタップして、テレビ側にその動画再生の指示を出すと、テレビはその情報に従って動画再生をスタートする。
スマホの動画再生をそのまま続けることもできるが、テレビの動画を操作する(一時停止、早送り/停止など)ことも可能。基本、それぞれが独立した関係になるので、テレビで動画が再生されている間、スマホでの操作にには制約は生じない。またスマホの画面をそのままテレビに映し出すミラーリング再生と違って、その操作画面がテレビに映し出されることもない。スマホの快適な検索機能をテレビのYouTube視聴にそのまま活用できるというわけだ。
かんたんで便利。YouTube動画のCAST再生に注目
CAST機能を活用するには、YouTubeアプリをダウンロードしたスマホに加えて、YouTube再生可能なテレビとWi-Fiの環境が必要になる。同一ネットワーク環境にテレビとスマホを接続し、同一アカウントでログイン。この状態からスマホのYouTubeアプリを立ち上げて、お目当ての動画を検索、再生を始める。
ここでスマホ画面右上に表示されているCASTマークをタップすると、CASTできる機器の名前(テレビ、スマート端末など)が表示される。ここでYouTubeを表示させたいテレビを選択すると、自動的に再生が始まるという手軽さだ。
テレビ側の設定にもよるが、たとえテレビが電源オフの状態でも、そこから電源を立ち上げて、YouTubeを呼び出して再生することも可能だ。この時、スマホ側からの一時停止、送り/戻しなどの操作が働く。つまりスマホで動画検索するだけでなく、リモコンのように使って、テレビ側のYouTube動画の一時停止、早送り/戻しなどの操作が可能だ。
ちなみによく似た機能として「ミラーリング」があるが、これはスマホ画面に表示された情報、すべてをそのままテレビ画面に映し出すというもので、もしYouTube視聴中にLINEの連絡が入ると、その情報をそのままテレビに表示される。当然ながら、スマホでの動画再生を止めると、テレビの映像も途切れてしまうことになる。
CAST再生のイメージ
スマホで任意の動画を再生中に、「CASTボタン」から、再生したいテレビを選択すると、自動的にテレビのYouToube再生機能が立ち上がり、その動画再生が始まる。YouTubeの再生自体はテレビが行なっているので、いったん再生を指示すれば、スマホのYouTubeアプリを停止しても動画再生は続く。また、テレビが4Kであれば、動画も4Kなどの高品位再生が行なわれる
CAST機能はどんなテレビが使えるの?
YouTube再生機能があるすべてのテレビで対応しています
CASTボタンに注目
スマホのYouTubeアプリで動画を再生すると画面右上に「CASTマーク」(右)がある。それをタップすることで、動画再生を任意のデバイス(ここではテレビ)にキャスト(送るという意味)できる