よほど古くない限りお手持ちのスマホでOK充分に「いい音」で楽しめる

 ここまで主要な音楽サブスクの個性や特徴をひと通り見てきたので(下記関連記事参照)、ここからは音楽再生プレーヤーとしてのスマホの選び方について整理していきたい。

 音楽再生プレーヤーとして使うのなら、スマホ選びにもいろいろ注意すべきポイントがあるのでは? と考える方がいらっしゃるかもしれないが、結論から先に言うなら、「利用したいと思っている音楽サブスクの最新アプリが動作すれば、手持ちのスマホでOK」である。音楽サブスクを利用するからといって最新のハイスペックなスマホをわざわざ買い求める必要はなく、基本的には手持ちのスマホでたいていの音楽サブスクを快適に楽しむことができる。

 現代のスマートフォンは、採用するOS(オペレーティングシステム/スマホの操作全般を司るシステムソフトウェア)の種別で大きくふたつに分けられる。ひとつはアップルが開発した「iOS」で動くスマホ、もうひとつはグーグルが開発した「Android OS」で動くスマホ(以下、Android)だ。iOS採用のスマホは、アップル自社製のiPhoneのみ(タブレットとしてはiPadもあり)。Android OSはアップル社以外のメーカーに幅広く提供されているため、数多くのAndroid OS採用スマホが販売されている。とはいえOSの基本が同じなので画面上の操作感にはメーカーによって差が少なく、iPhoneに対して「Android」とひと括りに呼ばれることが多い(画面のカスタマイズなどはメーカーごとに違いはある)。

 とある調査によると、2021年6月時点の日本国内におけるスマホのOS別シェアは、iOSが約69%、Androidが約31%ということで、いかに日本でiPhoneの人気が高いかが分かる。ただし、世界全体のシェアに目を移すとこの比率は逆転。Androidが約72%で、iOSは約26%にとどまっている。これはインド、ロシア、中国といった大国にAndroidスマホユーザーが圧倒的に多いことが影響しているようだ。ちなみに日本のiOSシェアは世界でも1位で、デンマーク、ノルウェー、アメリカ、オーストラリアなどがその後に続いている。

 最初に触れたように、世に出ている音楽サブスクのアプリのほとんどは(よほど型式の古いモデルでない限り)iPhoneでもAndroidスマホでも関係なくインストールすることができる。あとはアカウント登録など必要な手続きを済ませるだけで膨大な音楽ライブラリーを一瞬にして自分のものにできるわけだが、いっぽうでiPhoneとAndroidスマホの間には「ここはiPhoneのほうが使いやすい」とか「ここはAndroidスマホのほうが音質的に有利」といったいくつかの差異、勘どころがないわけではない。それを知っておくことで音楽サブスクの楽しみ方がさらに広がるのは間違いない。続いては音楽サブスクを使う際に、ぜひ理解しておきたいポイントおよび、iPhoneとAndroidそれぞれの違いを整理してみたい。

スマホで音楽サブスクを楽しむときに注意すべき4ポイント

❶OSのバージョン
前でも触れたように、必ずしも最新のスマホでなくても多くの音楽サブスクのアプリは動作する。ただし、手持ちのスマホのOS(Operating System。基本ソフトウェア)は、こまめに最新のバージョンにアップデートしておきたい。OSのバーションが古いままだと、アプリの最新機能が使えないことがあるからだ。iPhoneなら「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」→「自動アップデート」→「オン」で、夜間などに自動的にアップデートが実行され、OSのバージョンをつねに最新にしておくことができる。Androidなら多くの製品で、「システム」→「システムアップデート」で、最新のファームウェアがあるか確認できる。設定方法は異なるが、各サービスのアプリも同様に自動アップデートに対応している。

iPhoneのソフトウェア・アップデート画面。OSアップデートは基本的に最新のものにすべきだが、不要なトラブルを避ける意味で、ある程度落ち着くまで更新を待つという考えもある

❷モバイルデータ通信とWi-Fi通信
スマホで音楽サブスクのアプリを使用する場合、「モバイルデータ通信」と「Wi-Fi通信」のどちらかの方法でインターネットに接続する必要がある。モバイルデータ通信は携帯電話会社が提供するモバイル回線を使ってネットに接続する方式で、通信エリアが圏外でなければアプリでのサービスが楽しめる。ただし、契約によって違いはあるが、原則としてデータ通信料が発生する。一般的にデータ容量をどれくらい消費するかで利用料が決まるので、無闇な利用は避けたい。Wi-Fi通信は、基本は自宅などのインターネット回線をWi-Fiルーター経由で利用してネット接続する方法で、近年は個人宅や会社だけではなく、外出先でもWi-Fi接続できるスポットが増えている。ロスレスやハイレゾなど「音質にこだわった=データ量が多い」音楽サブスクを楽しむのなら、③のダウンロード設定などを積極的に使いつつ、Wi-Fi環境下での利用を中心としたい。

Android端末の画面。ふたつのモバイルデータ通信ができるデュアルSIMカードスロット搭載モデルの画面。Wi-Fi接続をしていない場合は、モバイルデータ通信で信号のやり取りを行なう

❸オフライン(ダウンロード)再生
②で触れたように、Wi-Fiが利用できないエリアでは音楽サブスクの再生にモバイルデータ通信が必要となるため、データ量利用の点で「もったいない」と感じられるケースがあり、長時間の利用はおすすめできない。そこで注目したいのは、各サービスに用意されている「オフライン(ダウンロード)機能」。たとえば自宅のWi-Fi環境下で聴きたい曲やアルバムをダウンロードしておき、通勤途中では、端末に保存された音源が再生される。つまりWi-Fiエリア外でもモバイルデータ通信を使わず快適に音楽を聴くことができる。サービスによって設定は異なるが、Spotifyではタイトルの下に見える「↓」のアイコンをタップするとダウンロードが始まり、12〜3曲のアルバムなら30秒前後でアルバムのデータをまるごとスマホに保管できる。Amazon MusicやApple Musicのロスレス、ハイレゾ音源でも同じようにオフライン再生が可能だ。

ほとんどの音楽サブスクで楽曲のオフライン再生が可能。ただし再生はデータをダウンロードした端末でのみ可能で、再生期限など制約がかかることが多い。画面はApple Musicのもの

❹通信種類別の音質設定
ほとんどの音楽サブスクの各サービスでは、モバイルデータ通信時/Wi-Fi通信時/ダウンロード時それぞれに対して音質の設定ができる。Apple Musicの「設定」で「オーディオの品質」を見ると、「モバイル通信ストリーミング」「Wi-Fiストリーミング」「ダウンロード」の、それぞれの音質を低データ使用量の「高効率」、256kbpsの「高音質」、最大48kHz/24ビットの「ロスレス」、最大192kHz/24ビットの「ハイレゾロスレス」の4つから選択できるが、基本的には高音質になるほどデータ量が大きくなるので、モバイルデータ通信では、そのデータ消費が激しくなる。モバイル時はデータ量が少ない「高効率」や「高音質」設定にとどめ、Wi-Fi時とダウンロード時に「ロスレス」や「ハイレゾロスレス」を選ぶなど賢く使い分けたい。ダウンロード時は、データ量消費という観点以外にも、スマホのストレージの使いすぎにも注意が必要だ。


Apple Musicの右上にある「…」をタップすると「設定」になり、「オーディオ」項目内に「音質」設定が用意されている。そこから「モバイル通信」「Wi-Fi」「ダウンロード」ごとに音質設定が選べる。高音質イコールデータ量が大きくなるので賢く使いたい

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