クリエイティブメディアのドルビーアトモス対応サウンドバー「Creative SXFI CARRIER」でさまざまなコンテンツを実際に視聴し、その魅力を紹介するシリーズ第3回。最終回となる今回は、サラウンドシステムでは外すことの出来ない映画と音楽を題材として、Creative SXFI CARRIERの魅力を紹介したい。

サウンドバー
クリエイティブメディア
Creative SXFI CARRIER
オープン価格(直販価格¥120,000 税込)

画像1: 【鳥居一豊の名品探訪】映画をいっそう面白く! 音楽ソフトもより雄大なサウンドで楽しめる。~Creative SXFI CARRIER研究(3) 映画・音楽編~

クリエイティブメディアが、Dolby Laboratoriesと共同開発を行なったサウンドバー。サウンドバー本体には7基のスピーカーユニットが搭載されており、ドルビーアトモスの5.1.2再生が可能となっている。ステレオや5.1chサラウンドの音声をアップミックスすることもでき、高さ方向も感じられるサウンドで楽しめるようになる。また、HDMIはHDMI2.1をサポートしているので、最新のゲーム機との接続も可能だ

Creative SXFI CARRIERの主な仕様
●スピーカー構成:5.1.2●スピーカー出力:250W RMS(サウンドバー)、200W RMS(サブウーファー)●接続端子:HDMI入力×2、HDMI出力×1(eARC対応)、デジタル音声入力(光)、USB Type-C、アナログ音声入力(3.5mmステレオ)、SXFI出力(USB Type-A)、サブウーファー出力(3.5mm3極)、ヘッドフォン出力(3.5mmステレオ)●寸法:W880×H76×D128mm(サウンドバー部)、W225×H450×D430mm(サブウーファー部)●質量:約3.6kg(サウンドバー部)、約12.8kg(サブウーファー部)

Creative SXFI CARRIERのスケール豊かなサウンドは、120インチスクリーンに負けない迫力

 映画と音楽と言えば、薄型テレビやサラウンドシステムなどを導入する時に、見たいと思うコンテンツの代表格だ。そこで今回は映画館を意識して、プロジェクターと組み合わせて、120インチのスクリーンで上映している。

画像1: Creative SXFI CARRIERのスケール豊かなサウンドは、120インチスクリーンに負けない迫力

 Creative SXFI CARRIERは、薄型テレビなどとの組み合わせが代表的な使い方になると思うが、プロジェクター相手でもその実力は引けを取らない。HDMI端子は入出力を各1系統備えているので、BDプレーヤーやストリーミングプレーヤー(動画配信視聴のための端末)、ゲーム機などをHDMI入力に接続し、HDMI出力をプロジェクターに結線すればいい。薄型テレビとの配線に比べるとHDMIケーブルは2本に増えてしまうが、それほど複雑というわけでもない。別体型のサブウーファーはワイヤレスなので結線は不要。電源コードを接続するだけでいい。ちなみに、サブウーファーとのワイヤレス接続(ペアリング)は自動で行なわれるので、特別な設定や操作は不要だ。

 120インチのスクリーンと比べると、横幅880mmのサウンドバーは少々小さいようにも感じるが、実際に音を出してみると、120インチの大画面にけっして負けていないことが分かる。Creative SXFI CARRIERには、サウンドバーの本体部だけで、7個のスピーカーを内蔵している。前方の3個がフロント(左右)とセンターで、両側にサラウンドスピーカー、左右の上部にイネーブルドスピーカーがある。これによって、5.1.2構成のサラウンドを実現しているのだが、基本的な音の実力がしっかりとしているので、出てくる音は大型スピーカーかと思ってしまうほど力強い。実はこの基本的な音質の良さが、本機の一番の魅力と言えるかもしれない。

画像2: Creative SXFI CARRIERのスケール豊かなサウンドは、120インチスクリーンに負けない迫力

ヒーローアクション超大作ではバトルシーンを臨場感満点に再現し、セリフの実体感も秀逸

 スーパーヒーローたちが超人的な力を駆使してバトルを繰り広げる『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダー・カット』は、大画面やサラウンドの立体音響にはぴったりのコンテンツ。劇場で上映した作品に数々のシーンを追加し、登場するヒーローたちのドラマを掘り下げ、映画を超えるスケールとボリュームで完成したファン待望の作品だ。視聴に用いた4K UHD版はドルビーアトモス音声を収録しているので、視聴コンテンツとしてもピッタリ。

 数々のヒーローたちの持つ苦しみや悩みをじっくりと掘り下げて描かれる内容も良いが、スーパーマンやバットマン、ワンダーウーマンといったヒーローたちの結集を、壮大に描いたことが大きな魅力。大スクリーンの迫力とサラウンドの臨場感で、まさに映画館に居るような感覚で楽しめる。

 Creative SXFI CARRIERは、120インチのスクリーンに伍するスケールと立体的な音響の再現が大きな魅力と言えるが、バットマンたちのセリフの力強さのような、実体感のある音の鳴り方も美点だ。追加シーンではバットマンの宿敵とも言える彼が登場するが、その時のバットマンのセリフにはなかなかに凄みがある。そんなセリフを迫力たっぷりに再現してくれるところにも感心した。

 そして、ついにあの男が復活するクライマックスでは、セリフと効果音と音楽が一体になって、ストーリーを盛り上げてくれる。「映画を見た」という満足感をたっぷりと味わわせてくれた。

基本的な音の実力が良いから、音楽映画も実に楽しい

 続いては、音楽映画。世界的なテノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッティの人生を実際の映像とインタビューで構成したドキュメンタリー『パヴァロッティ 太陽のテノール』を見た。BD版は5.1ch音声だが元々はドルビーアトモスで制作されており、古いモノーラル音源の音もスタジオでの再録音によってサラウンド化している。

 三大テノールの公演を見ると、鮮度の高い音でコンサート会場の広々とした響きが見事に再現されている。なによりも、パヴァロッティたちの美しいテノールの歌声が素晴らしい。ハイトーンの美しさと同時に、力強いエネルギーまでしっかりと再現してくれる。豊かな響きがしっかりと周囲に広がりながらも、歌声は鮮明でしっかりと前方に定位する。音楽を題材とした映画は多くあるし、音楽作品だけに音質にもこだわりを持って製作されている。そうした作品を好む人にも、Creative SXFI CARRIERはしっかりと応えてくれる実力がある。

音楽再生も満足。スマホの音楽や音楽配信サービスも手軽に楽しめる

 Creative SXFI CARRIERは基本的な音の実力が優れているので、音楽再生用として使っても満足できる。サブウーファーがあるため、低音の再現もしっかりとしており、音楽だけでも充分な聴き応えがある。

 最新モデルだけあってBluetooth機能も内蔵しているので、スマホなどの音楽も手軽に楽しめる。音楽再生もサラウンド化することは可能だが、ふつうのスピーカーのようなステレオ再生を楽しみたい場合は、サラウンド効果を抑えた「ミュージック」モードを選ぶといい。

 筆者がおすすめしたいのは、ストリーミングプレーヤー「Apple TV 4K」を使って、音楽配信サービス「Apple Music」を楽しむこと。Apple Musicではロスレス音源やハイレゾ音源の配信もスタートし、音質にこだわる人も満足できるようになったことで、話題を集めている。ほかに「Amazon music HD」なども高音質コンテンツのラインナップを充実させており、音楽配信サービスにおける高音質化の波は着実に浸透しているのだ。

画像: ▲筆者宅の「Apple TV 4K」の設置状況。電磁波吸収シート付きの自作オーディオボードに載せ、電源ケーブルを交換している

▲筆者宅の「Apple TV 4K」の設置状況。電磁波吸収シート付きの自作オーディオボードに載せ、電源ケーブルを交換している

 そんな中でApple TV 4Kをおすすめしたのは、空間オーディオが楽しめるから。空間オーディオは実はドルビーアトモスフォーマットで制作されていて、Apple TV 4KのようにHDMI出力を装備した機器を使えば、ドルビーアトモス対応のホームシアターシステムに接続することができる。つまり、Apple TV 4KとCreative SXFI CARRIERをHDMI接続すれば、空間オーディオがドルビーアトモスのサラウンドで再現できることになる。これがなかなか面白い。

 コンサートホールでの録音ならば、ホールの響きが部屋中を満たし、前方からは立体的な配置でオーケストラの演奏が現れるし、ポップスでは伴奏が周囲を取り囲み、ボーカルが目の前に浮かび上がるような曲もある。ステレオ再生を超えた臨場感溢れる音楽が楽しめる。これまで聴き慣れたステレオ再生とはまた違った面白さがあり、音楽好きの人ならばぜひとも試してほしいと思う。

映画だけじゃない! さまざまな最新のコンテンツを存分に味わえる

 サラウンドシステムというと、誰もが映画を思い浮かべるが、一方であまり映画を見ない人にとっては、自分には不要なものと思いがちだ。しかし、今回の特集のように、「音(サウンド)」を楽しむコンテンツとしては、映画だけでなく、スポーツやドラマ、アニメ、音楽と多彩にあり、そこにサラウンドシステムがあると、さまざまなエンタメがもっと楽しくなるのだ。このほかにも、最新の家庭用ゲームはサラウンド音声を採用しているものも多く、ゲーム好きの人にもぴったりだ。

画像: 映画だけじゃない! さまざまな最新のコンテンツを存分に味わえる

 大画面テレビの導入に合わせて、サウンドシステムも検討している人は少なくないと思うが、そんな人にはCreative SXFI CARRIERのようなドルビーアトモス対応のシステムをおすすめしたい。サラウンドの再現性が優れるのはもちろんだが、これまで見てきたように、映画以外のコンテンツでも幅広く楽しめるからだ。家庭で楽しむホームエンターテイメントをさらに魅力あるものにしてくれるCreative SXFI CARRIERに、ぜひとも注目してほしい。

第2回連載(動画配信・アニメ編)はコチラ

第1回連載(スポーツ編)はコチラ

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