画像: プラタナス 3.0S ¥350,000 ●発電方式:MC型 ●出力電圧:0.4mV(3.54cm/sec、rms) ●内部インピーダンス:2.5Ω ●適正針圧:1.9〜2.1g(標準2.0g) ●自重:11.5g●針交換価格:¥245,000 ●問合せ先:(株)PDN

プラタナス 3.0S ¥350,000
●発電方式:MC型
●出力電圧:0.4mV(3.54cm/sec、rms)
●内部インピーダンス:2.5Ω
●適正針圧:1.9〜2.1g(標準2.0g)
●自重:11.5g●針交換価格:¥245,000
●問合せ先:(株)PDN

 著名なMC型カートリッジのビルダーであり、自らプラタナスのブランドでフォノカートリッジを手掛けている助廣哲也氏。彼の最新作プラタナス3.0Sを紹介する。

 本機はデビュー作のプラタナス2.0Sをリファインしたものと理解すればいい。アルミニウム合金製の中空テーパードカンチレバーに、特殊ラインコンタクト形状のダイア無垢針を組み合わせた鉄芯巻枠の発電系は共通する。発電回路は大型の後方ヨークで剛性を高めると同時に、異なるアルミ合金を組み合わせたボディも合理的。両者を比べると自重がわずかに軽くなり適応性を高めている。

 プラタナス3.0Sは、本誌試聴室で聴いている。お馴染みのリファレンス・システムにエアータイト製の昇圧トランスATH3を組み合わせた音は、自然にハイエンドまで伸びている上質感が印象深い。ボロン製カンチレバーのような硬質さとは無縁の、アルミ合金製ならではの穏やかな美音が本機の身上であろう。

カンチレバーはアルミニウム合金の中空パイプで、スタイラスは曲率半径3μm×30μmの特殊ラインコンタクト。ボディは異種のアルミニウム合金を組み合わせて軽量化と高剛性化を図り、磁気回路にはネオジムマグネットを新たに採用。ヨークとポールピースを組み合わせる一般的なMCカートリッジの構造に対して、純鉄を切削加工した質量の大きいリアヨークで振動系を直接支える構造が特徴。共振の排除による忠実な伝送を指向する。

試聴に使用した昇圧トランス


エアータイト ATH3 ¥150,000

 オーディオユニオンから発売された45回転の2枚組ダイレクト盤「八木隆幸トリオ/コンゴ・ブルー」は心地よい緊張感を漂わせた、切れ込みが鋭く鮮度の高いジャズを体感させる。音の解像感に不足はなく、音像の輪郭を際立たせることがないニュートラルな描写である。アンセルメ指揮「三角帽子」は、音数が多く色彩感の豊かな音を奏でるが華美に陥っていないのが巧いところで、現代的でありながらも中庸の音に仕上げられている。

レコードプレーヤーのテクニクスSL1000Rに装着して試聴した。

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