画像: Cartridge デノン DL-A110 ¥62,000(セット価格) DL-103●発電方式:MC型●出力電圧:0.3mV(5cm/sec、1kHz)●内部インピーダンス:40Ω±20%●適正針圧:2.5±0.3g、専用ヘッドシェルセット時●自重:18.5g(ヘッドシェルアダプターを含む)●針交換価格:¥27,000

Cartridge
デノン
DL-A110
¥62,000(セット価格)
DL-103●発電方式:MC型●出力電圧:0.3mV(5cm/sec、1kHz)●内部インピーダンス:40Ω±20%●適正針圧:2.5±0.3g、専用ヘッドシェルセット時●自重:18.5g(ヘッドシェルアダプターを含む)●針交換価格:¥27,000

驚異的ロングセラーを忠実に復刻

 昨年、デノンは創立110周年を迎えたという。のちに日本コロムビアとなる日本蓄音機商会が誕生した、明治43年(1910年)を起点に数えた年数である。

 ここで紹介するのは、記念モデルとなるDL-A110。日本コロムビアがNHKの協力を得て開発した放送局用フォノカートリッジであるDL-103を、往年の放送局用トーンアームのヘッドシェル(復刻)と組み合わせたもの。DL-103がコンシューマー市場に発売されたのは1970年。ステレオの国産MC型フォノカートリッジの標準原器というべき、驚異的ロングセラー製品である。

 DL-103は単売品と同じなので、ヘッドシェルを観察する。全長は少し短く、一般的なヘッドシェルと比べるとオルトフォンのAシェルとGシェルの関係に似ている。そのため、本品は長さを稼ぐ金属製アダプターと組み合わされている。オリジナルは肌色の樹脂製でシェル側のリード線は半田結合だった。本品は端子結合になっているが、色調を灰色に変えた以外は忠実度の高い復刻といえる。

 「管球王国」試聴室でテクニクスSL-1000Rに装着した音を聴いてみた。ダイアモンド丸針+アルミ製カンチレバーによる中域重視の厚い音調は、聴き手に安堵感をもたらす。アンセルメ指揮「三角帽子」では、情報量を整理しながら演奏の熱気をうまく伝えるバランス感覚が印象的。ノスタルジックな外観とマッチした、放送局用らしい音調といえよう。コレクションに加えたくなる記念モデルだ。

画像: ↑本機はMCカートリッジのDL-103を専用ヘッドシェルに取り付けられたセット商品。ヘッドシェルは記念モデルとしてグラファイト・シルバーのカラーリングが採用される。写真左は着脱可能なアダプター(付属)で、装着状態で標準的なユニバーサルアームでの適切なオーバーハングが得られるよう設計されている。

↑本機はMCカートリッジのDL-103を専用ヘッドシェルに取り付けられたセット商品。ヘッドシェルは記念モデルとしてグラファイト・シルバーのカラーリングが採用される。写真左は着脱可能なアダプター(付属)で、装着状態で標準的なユニバーサルアームでの適切なオーバーハングが得られるよう設計されている。

画像: ↑DL-103専用のヘッドシェルは樹脂製で6gと軽量。天板部にブランドロゴが印字される。

↑DL-103専用のヘッドシェルは樹脂製で6gと軽量。天板部にブランドロゴが印字される。

画像: ↑試聴する三浦氏。本機をアナログプレーヤーのテクニクスSL-1000Rに装着し、フォノイコライザーは出力インピーダンス10Ω以上のカートリッジに対応するフェーズメーションEA-1000を使った。

↑試聴する三浦氏。本機をアナログプレーヤーのテクニクスSL-1000Rに装着し、フォノイコライザーは出力インピーダンス10Ω以上のカートリッジに対応するフェーズメーションEA-1000を使った。

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