エリプソンのプレステージ・ファセット24Fは背の高いフロアスタンディング機で、設置面積は意外に小さい。まとまりの良い音を聴かせてくれたスピーカーだが、ペアで30万円という入手のしやすいプライスタグに驚いた。
エリプソン 「Prestige Facet 24F」¥300,000[ペア] (税別)
●型式:3.5ウェイ4スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:ウーファー・21cmコーン型×2、ミッドレンジ・17cmコーン型、
トゥイーター・2.5cmドーム型
●インピーダンス:6Ω●感度:93dB/W/m
●クロスオーバー周波数:350Hz、600Hz、3.8kHz
●寸法/重量:W245×H1,116×D370mm/26.5kg
●備考:スパイクベース(W274×H22×D383mm/1.5kg)付属、外装仕上げはブラック、
ホワイト、ウォールナット(フロントパネルはブラック)の3タイプあり
本機は4ドライバーの3.5ウェイ構成。各ドライバーの外周には、ダイアモンドカット模様のファセットリングという柔らかいシリコン製リングが貼られている。これはバッフルでの音の反射を抑えて指向性をコントロールするためのもの。トゥイーターはシルク製ドームで、フェイズプラグのあるミッドレンジと2基のウーファーはペーパー素材だ。
フロア型らしいゆとりある音楽再生が持ち味で、
量感を伴う低音域の充実ぶりが魅力
試聴はアキュフェーズのSACD再生システムであるDP950+DC950を送り出しに、エアータイト製ATC5プリアンプとATM3パワーアンプで行なった。
自作曲を新録したスティング「マイ・ソングズ」で聴く「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」は、ビートの効いた押しの強いリズムと堂々としたサキソフォンに彼のヴォーカルが存在感を際立たせている。ヴァイオリン奏者ガイ・ブラウンシュタインのチャイコフスキー(SACD)は、ヴァイオリンの音色に冴えが感じられ、音調バランスも整っている。本機はフロア型スピーカーらしく、ゆとりのある音楽再生を持ち味にしており、小音量で聴いても音が痩せないのは大きなメリットだ。量感を伴う低音域の充実は、小型機では得られないリッチな魅力といえよう。
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