プラッターが宙に浮くマグレヴオーディオ(スロヴェニア)のML1は、アイキャッチーなアナログプレーヤーだ。非接触で浮くプラッターは約2.2kgの重量があり、ABS樹脂+グラスファイバー製。内部には反発=浮上用の永久磁石が格納されている。そのためMC型フォノカートリッジは不向きであり、本機はオルトフォンのOM10(MM型)を標準搭載している。トーンアームはプロジェクトオーディオの9ccである。
マグレヴオーディオ ML1 オープン価格(税込、実勢価格¥398,000前後)
カートリッジ部(オルトフォンOM10)
●発電方式:MM型●出力電圧:4mV
●針圧:1.25~1.75g(適正1.5g)●インピーダンス:47kΩ●自重:5g
トーンアーム部(プロジェクト9cc)
●型式:スタティックバランス・ストレート型
●有効長:230mm●適合カートリッジ重量:6~10g
プレーヤー部
●駆動方式:マグネティックコイル・ドライブ●回転数:33 ・1/3、45rpm
●プラッター:マグネット内蔵ABS樹脂グラスファイバー
●寸法/重量:W477×H185×D355mm/9.8kg
●備考:ダストカバーはオプション設定(¥33,000)
本体側(台座)にも反発=浮上用の永久磁石が組み込まれているらしく、プラッターを回転させる機構は外周部分に組み込まれた6個のマグネティックコイル(リニアモーター)が行なうという。プラッターの背面には9個の鏡面部分があり、光学センサーで回転スピードを把握する仕組みなのだろう。浮上ではないけれども、リニアモーターでプラッターを非接触回転させるプレーヤーは、過去にオンキヨーとサンヨーが製品化したことがある。
音の背景に独特の静寂さを感じさせる
ML1は本誌試聴室で聴いている。プリアンプとパワーアンプは共にエアータイトのATC5とATM3(モノブロック)、スピーカーシステムはB&Wの800D3である。
試聴機はわずかに面ブレがあったが、音の背景に静寂さが感じられる独特の音が印象的。軸受け部分の摩擦から解放されているためなのだろうが、なかなか不思議な感覚だ。磁気の影響を受けない光カートリッジでも聴いてみたくなる、浮遊感の漂う音が実に面白い。
製品に関する問合せ:(株)ユキム 03(5743)6202