9月28日に発表された、パナソニックのおうちクラウドDIGA。同日秋葉原で開催された発表会には、俳優の遠藤憲一氏が登場し、新製品の魅力を語ってくれた。
そこで発表されたのはおうちクラウドDIGA「DMR-BRG3060」(市場想定価格¥96,000前後)、「DMR-UBZ2060」(市場想定価格¥95,000前後)、「DMR-BRT2060」(市場想定価格¥84,000前後)、「DMR-BRT1060」(市場想定価格¥71,000前後)の4モデル。さらにディーガと組み合わせる製品としてHDペットカメラやドアホンも紹介された。
同社はDVD時代から家庭用録画機としてDIGAを発売している。これまでは録画機はお父さんが機能面で選ぶ製品だったが、おうちクラウドDIGAを通じて「家族をつなぐ」提案をしたところ、同社ディーガサイトへの訪問者の割合や購入検討者の女性比率が向上してきたという。
それを踏まえて現在の家族に適したレコーダーとして提案されたのが上記の4モデルなわけだ。基本的な録画機機能は従来のDIGAシリーズを踏襲。機種によって6チューナー内蔵(DMR-BRG3060)やUHD Blu-ray再生(DMR-UBZ2060)などのスペックの差別化が図られている。
ではおうちクラウドDIGAとしての「家族をつなぐ」機能とは何か? 発表会ではその点について、遠藤氏と同社AVC商品部部長・宮地晋治氏の対談で解説していた。
まず遠藤氏が、「パナソニックのおうちクラウドDIGAなどのプロモーションをさせてもらっていますが、機械のことはまったく詳しくないので、撮影時にひとつひとつ説明してもらいながら撮影に向かっています。今日は、素朴な疑問をぶつけさせていただきたいと思っています」と語り、気になっている点を宮地氏にぶつける形で対談が進んだ。以下その様子を紹介しよう。
遠藤 おうちクラウドDIGAの基本は録画機ですが、これにHDDは必要なんでしょうか?
宮地 ディーガはテレビの下などに置きます。ということはディーガのHDDに写真などを保存していただくと、大切な思い出を大画面で楽しんでいただけます。さらにそれをブルーレイに残しておけます。
遠藤 ブルーレイは長持ちするんですよね。それは後で知って感心したんです。じゃあ世の中のクラウドとおうちクラウドの違いは何ですか?
宮地 唐突ですが、日本のタンス預金は43兆円あるといわれています。それくらい大切なものは手元に残しておきたいと思いますよね。思い出も同じだと考えます。おうちクラウドDIGAなら、クラウドでも手元に残すのと同じように扱えます。
遠藤 ぼくはお小遣い制なので、引きだしにこっそり貯金しているんです(笑)。だから今の喩えはよくわかりました。あと、今回びっくりしたのが、録画機というと黒くてごつごつしたイメージなのに、なぜこんなに小さく、白くなったんですか?
宮地 今回のおうちクラウドDIGAは録画機を越えた新しい価値をつくりたいとうことで、デザインも一新しました。まさに「脱・録画機宣言」というところでしょう。
遠藤 皆さん、実はここが言いたいところなんです(笑)。ぜひ記事の見出しに「パナソニックは録画機から撤退!」と描いて下さい。いや、「撤退」だとなくなっちゃいそうで、僕の仕事もなくなってしまう。やっぱり「脱・録画機」でお願いします。
宮地 そうですね(笑)。
遠藤 あと、わが家は以前マルチーズを飼っていて−−今はもう亡くなってしまったんですが−−その時はパナソニックのペットカメラを使っていました。当時はガラ携で観ていたんですが、今回の新製品はスマホで観られて、しかも自動でペットを追いかけてくれる。なんでこれが5年前になかったのかと。
宮地 ぼくは昔の製品開発にも関わっていました。申し訳ありませんでした。カメラのスピードとかコンセプトをまとめるのに時間がかかってしまいました。
遠藤 本当にペットを飼っている人はたくさんいるし、介護などでも使えるんじゃないでしょうか。
宮地 われわれはこれからも世の中の役に立つ製品を作って行きたいと思っていますので、ぜひご支援下さい。
ペットカメラとスマホの連携は、既に同社のテレビCM等でも紹介されているが、今回はその動画をディーガのHDDに簡単に保存し、それを大画面テレビで簡単に楽しめる点も大きいだろう。
この他にもスマホで撮影した写真や動画からの転送操作もより簡単になり、さらに他の家族には観られたくない写真にはパスワードをかけられるなどの配慮もなされている。
録画機、スマホ、カメラなど自社が持つ製品をつなげるメリットをわかりやすい形で提示してきたパナソニックの新提案。その中核となるディーガは、まさに家庭内サーバーと呼ぶべき存在になっているようだ。