CDプレーヤーと組み合わせてMQA-CDをハイレゾ再生が楽しめる

 クリプトンのアンプ一体型スピーカーシステムKSシリーズの最上位機種がモデルチェンジ、「KS-9Multi+」として12月中旬に発売される。価格はオープンで、想定市場価格は¥280,000前後を想定している。同社によると通称は「ハイレゾ・ナイン・プラス」とのこと。

画像: ▲クリプトンのアンプ一体型のスピーカーシステム「KS-9 Multi+」

▲クリプトンのアンプ一体型のスピーカーシステム「KS-9 Multi+」

 オリジナルモデル「KS-9Multi」は、KSシリーズのトップグレードとして2016年に発売されたPCM系のハイレゾファイル対応に加えて、DSD形式のハイレゾファイル、あるいはスピーカーとしては世界初となるMQAファイルのデコード機能を実装し、「マルチフォーマット」対応スピーカーとして多機能かつ高品位な一体型スピーカーとして開発された。

 今回のモデルチェンジでは、「MQA-CDのダイレクト再生に対応」したことが最大の進化点となる。MQA-CDとは、CDフォーマットに、MQAエンコードされたハイレゾデータを収めたデジタルディスクで、ユニバーサルミュージックや、OTTAVA Records、RME Premium Recordings、Chesky Recordsなどからリリースされている。

 特にユニバーサルミュージックは、今年6月に「ロック&ポップス、ジャズ、クラシック」編として一挙100タイトルを発売、さらにこの9月19日には「邦楽編」として30タイトルをリリースする。マーケティング用語としてMQA-CDを「ハイレゾCD」と名付けて、音楽ファン、オーディオファンに大きくアピールしている。

 MQA-CDを、ハイレゾ音源として再生するには、MQAデコード機能を備えたハードウェアが必要となるが、再生の流れは
(1)MQA-CDからデータを吸い上げて(リッピング)
(2)そのデータをPC再生
(3)USB経由でMQA対応DACに入力
(4)MQA対応DACでデコードおよびアナログ変換
 という方法が現時点での主流となっている。今回のKS-9Multi+では、
(1)一般的なCDプレーヤーでMQA-CDを再生
(2)CDプレーヤーから光デジタル端子で出力
(3)KS-9Multi+でMQAデコード→再生
 という流れでハイレゾ再生が楽しめる。ユーザーとしては、普通にCDプレーヤーでCDを再生するシンプルな感覚でMQA-CDのハイレゾ再生できる点がメリットとなる。

 MQA-CDのダイレクト再生以外の製品仕様は、DSP内のデジタルフィルターが、IIR(無限インパルス応答)方式から、位相回転が少ないなどのメリットを有するFIR(有限インパルス応答)に変更されたことを除き、従来のKS-9Multiと変わらない。

画像: ▲別途CD再生機は必要だが、オールインワンスピーカーとして世界で初めてMQA-CDに対応した点と、イコライザーのデジタルフィルターがFIR方式に変更された点のふたつが新しい

▲別途CD再生機は必要だが、オールインワンスピーカーとして世界で初めてMQA-CDに対応した点と、イコライザーのデジタルフィルターがFIR方式に変更された点のふたつが新しい

KS-9Multi+の主な製品仕様

型式:バスレフ型2ウェイ2スピーカー
使用ユニット:30mmリングラジエーター型トゥイーター、84mmコーン型ウーファー
クロスオーバー周波数:3.5kHz
対応サンプリング周波数/量子化ビット数:最高192kHz/24bit(PCM)、最高2.8MHz/1bit(DSD)
アンプ出力:160W(総合)
入力端子:USBタイプB(2.0)、光、HDMI、3.5mmステレオミニ
寸法:幅130×高さ200×奥行170mm
質量:約3kg(右)、約2.9kg(左)

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