NHKは、12月1日からの4K・8K放送開始に向けて、その魅力を多くの人に知ってもらおうと、『いよいよ12月放送開始!4K・8Kスーパーハイビジョンパーク』と銘打ったイベントを8月1日から品川インターシティホールでスタートした。
会場内には、450インチという巨大スクリーンと22.2chのサラウンドで、8K/HDR映像が楽しめる「4K・8Kスーパーハイビジョンシアター」や、近未来の8Kのある暮らしをイメージした「8K有機ELリビングシアター」さらにアリゾナ州立大学との協業で実現した「8K双方向インタラクティブコンテンツ」の体験といった興味深い展示を多数準備。スーパーハイビジョンの実力や可能性がとてもよくわかる内容になっていた。
初日となった1日午後2時の開場直後には、年配の男性はもちろん、若いご夫婦や奥様グループといった来場者が見受けられ、通常の技術展示とは違った雰囲気に包まれていた。世代や性別にかかわらず、スーパーハイビジョンへの関心が高まりつつあるのは間違いなさそうだ。
ここからその主な展示の様子を紹介したい。
「4K・8Kスーパーハイビジョンシアター」
![画像1: 「4K・8Kスーパーハイビジョンシアター」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/6b6f62bcb3322db4b51934583d3d559b8165da9c_xlarge.jpg)
300名分の座席を用意し、450インチ大画面&22.2chサラウンドで紅白歌合戦やピョンチャン五輪フィギュア男子ショートプログラムなどのダイジェクトを上映。来場者はまず画面サイズに驚き、次に8K/HDRの映像に圧倒され、22.2chのサウンドに陶酔して会場を後にしていた。
なおここでは「サカナクションライブ2017」「Perfume×Technology」といったスペシャルコンテンツも上映されるが、その一部は事前予約が必要(締め切られている時間もあり)なので注意していただきたい。
![画像2: 「4K・8Kスーパーハイビジョンシアター」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/b27470f9e6e4e5512d85f401c83d59c958144621_xlarge.jpg)
こちらは8Kの上映システム。25,000ルーメンの明るさを持った4K画素のDLPプロジェクターを4台設置し、スクリーン上で8K映像を再現していた。映像の境目部分はブレンディング処置をしているとのことだが、まったく気にならなかった。
「8Kリビングシアター」
![画像: 「8Kリビングシアター」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/f61e8d95ea5bf4a272f757b6fe3438439b53cf58_xlarge.jpg)
88インチのシート型8K有機ELディスプレイと22.2chサラウンドシステムを備えた、将来のリビングシアターという設定。有機ELディスプレイは先日の技研公開で展示されていた物と同じと思われる。22.2chスピーカーはすべて壁や天井に埋め込まれており、リビングとしての環境を邪魔しないように配慮されている点にも注目。
「22.2chサラウンド音響体験コーナー」
![画像1: 「22.2chサラウンド音響体験コーナー」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/ab9c68220bf5d6e6d941bced1091ab76a08b5e33.jpg)
4K・8K放送の22.2ch音声を、今普及している家庭用AV機器でも楽しんで欲しいという提案もあり。ここでは22.2ch音声を、変換装置を通してドルビーアトモス信号に変え、デノンのAVアンプ「AVC-X8500H」を使って7.1.4環境で再生していた。
![画像2: 「22.2chサラウンド音響体験コーナー」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/0d36b7f6780f4f49031d07b7a8487680b4583391.jpg)
上の写真が22.2chからの音声信号変換装置。ドルビーアトモスだけでなく、DTS:Xへの変換もできるそうだ。将来登場するであろう4K・8Kチューナーにこの機能が搭載されれば、22.2chをアトモス環境で楽しめるわけで、AVファンとしては大歓迎。なおこの変換装置にはドルビー社が開発したシステムが使われている模様。
「8Kインタラクティブ(双方向)展示」
![画像: 「8Kインタラクティブ(双方向)展示」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/5f22c8bef95893af0fa9dd303c822957e6cf8571_xlarge.jpg)
8K映像の持つ可能性を実感できるのがこのデモだった。アポロ計画で撮影された35mmフィルム(静止画)をNHKとアリゾナ州立大学との協業でデジタイズ(水平6400×垂直6400画素でスキャン)し、データベース化している。コントロールアプリを入れたタブレットで画像の選択や拡大が簡単に行なえ、距離感のない月面世界の映像がきわめてリアルに再現されていた。
「超小型!13.3インチ8K有機ELディスプレイ」
![画像: 「超小型!13.3インチ8K有機ELディスプレイ」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/2188e491fa3b945fda154f480c7798b1bbe0da67.jpg)
水平7,680×垂直4,320という8K解像度を備えた、13.3インチの超小型有機ELモニター。以前月刊HiViでも取材した、神奈川にある半導体エネルギー研究所で開発されたもので、虫眼鏡で拡大しても画素がわからないほどの緻密さを持つ。実物を目にしたら、きっと感動します。
「4Kコンテンツワールド」
![画像: 「4Kコンテンツワールド」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2018/08/01/b70eb92819acea7bbb5c763cfb7ba3cd1d7896eb_xlarge.jpg)
4Kで収録されたNHKの様々なコンテンツの中から、来場者が好みの作品を選んで、画質を確認してもらおうという提案も準備されている。4KコンテンツはPCサーバーに保存されており、横に置かれたタブレットで観たい番組を選ぶと、テレビに映る仕組だ。
本イベントの開催概要は以下の通り。HiVi読者必見の展示もたくさんあるので、ぜひ足を運んでいただきたい。
『いよいよ12月放送開始!4K・8Kスーパーハイビジョンパーク』
●日時:8月2日(木)〜4日(土)
午前11時〜午後9時(4日は午後5時まで)
●会場:品川インターシティホール
東京都港区港南2-15-4 品川インターシティ ホール棟1F
●問合せ:ハローダイヤル 03(5777)8600 ※午前8時〜午後10時