小島梨里杏/お互いに譲れないものがある男たちの熱い生き様を観てほしい。「ある町の高い煙突」、いよいよ6月22日より公開
直木賞作家 新田次郎の原作を映像化した「ある町の高い煙突」が、いよいよ今週末6月22日(土)より全国公開される。時は明治の末期。国策でもある富国強兵に基づいて操業を押し進める鉱山側と、それによって農作物に深刻な公害(煙害)を受けている周囲の農村群。いまでこそ、さまざまな書物・資料によってその全貌を把握することはできるが、公害に対する社会的な基盤・コンセンサスのなかった当時の人々は、どのようにしてそれを解決へと導いていったのか? 原作に記された熱き男たちの生き様を、ドキュメンタリー出身の監督松村克弥が、篤く紡ぎだした注目作だ。
ここでは、農村側代表の関根三郎(井手麻渡)と、鉱山側の窓口であ...