①「Franz Schubert:Allegretto in C Minor, D. 915/エリック・ルー」 96kHz/24ビット

②「ヨハン・シュトラウス2世:Rosen aus dem Süden, Walzer, Op. 388/ヤニック・ネゼ=セガン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」 96kHz/24ビット

③「J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 プリリュード/Miriam Prandi(vc)」 96kHz/24ビット

④「マーラー:交響曲第9番 第2楽章/ヴラディーミル・ユロフスキ指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団」 96kHz/24ビット

⑤「モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 第2楽章/ゴンサレス=モンハス(vn)、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団」 96kHz/24ビット

⑥「A Plea/FLEA」 44.1kHz/24ビット

⑦「つけっぱなし/二階堂和美」 48kHz/24ビット

⑧「ごはんができたよ (Live at Blue Note Tokyo 2025.09.04)/矢野顕子」 96kHz/24ビット

⑨「ザ・ラスト・シップ/スティング」 96kHz/24ビット

⑩「アイ・ガット・ユー/テデスキ・トラックス・バンド」 44.1kHz/16ビット

今回紹介する楽曲のプレイリストはこちら>

画像1: Qobuzで愉しむハイレゾストリーミング『新星の新演奏を魅力的に捉えた』【HiVi2026春号】

https://open.qobuz.com/playlist/55841647

 

 

 ①もの凄くリリカルで、しかもダイナミック。シューベルトの青春のときめき、喜び、憂愁が等身大に歌われる。一音一音に心と魂が投映された、端正で深いピアニズムだ。特筆すべきは、この曲におけるメジャー部分、マイナー部分の感情の差を、明確に打ち出すエリックの感情表現力の深さ。録音は演奏の機微を非常に細かなディテイルまで、見事に描き出す。

 ②清新で、明朗、そして精密……と、最近のニューイヤー・コンサートでは出色。個人的好みから、「南国の薔薇」を選んだ。第1ワルツの軽妙にして、すがすがしい音の流れは、まさに新星の新演奏。歌いの抑揚の大きさ、チャーミングなアーティキュレーション、そしてムジークフェラインザールの黄金の響き。どれをとっても魅力的だ。録音もオーケストラ全体のふくよかさ、暖かさと細部への綿密な眼差しが両立。

 ③バッハの無伴奏チェロ組曲の名アルバムは星の数ほどリリースされているが、イタリアの気鋭ミリアム・プランディの本作は明晰で切れ込みが鋭い。音像の明瞭さ、リッチなボディ感、音の振幅の雄大さ、直接音と間接音のどちらも豊穣と、演奏と録音に両者で金字塔的な作品といえよう。オーディオ的にも低音の再生力、基音と倍音の音調の違い、ホールトーンの再生など聴きどころが満載。

 ④リッチな音響と細密さが両立した圧倒的な名録音。まず直接音が鋭い。中央右のファゴットから始まり、左のクラリネット、さらに左のホルンと進む、距離感は確実にあるのだが、でも眼前に展開するクリアーさ。右からのチェロの侵入も鮮やか。間接音も豊潤だが、音場の空気が澄み、透明感は極上。マーラーが仕掛けた複合的なハーモニーがこれほど細密に、ハイフォーカスで分かるとは、スコアがそのまま鳴っているよう。

 ⑤実に堂々たる演奏と録音。オーケストラの体積が大きく、左右のスピーカーからはみ出すような広い音場。左の第一ヴァイオリン、中央の低減、その奥の管楽器と、音場情報も多い。鮮明に、細部の機微までくっきりと捉える。まさに現代の録音技術を駆使した尖鋭なサウンド。3D的な空間感、空気の濃密さも格別だ。ソロヴァイオリンのキレ味もシャープで、くっきりと表情をつける進行は、オーケストラの明確なアクセント感、ハイスピード感とまったく同調。それは首席指揮者の弾き振りだから、だ。

 ⑥高音質にて、複数音像の時間的、位置的、編成的な饗宴を愉しむ作品。小編成・小音量で始まり、大編成・大音量で頂点を極める息の永いクレッシェンド構造だ。センターのアコースティック・ベースの長玉単音と、右に陣取った、フリーのエレキベースの細密音価の急速下行の2つのベースが織り成すオスティナート(反復)が、セクシーだ。これらが通奏低音を成し、以降登場する中高域の多彩な楽器を支える。センターにフルートとパーカッションが、左にギターが、その奥に金管が現れ、トロンボーンがゆったりとした粘着的な旋律を奏でる。音数が増え、リズムも強烈。多彩な音模様が織りなす、音色のバラエティさが聴きどころ。

 ⑦1999年のデビュー以来、佳作を数多くリリースしてきたシンガーソングライターの最新作。センターのヴォーカルは右のピアノ、センターのドラムス、ベースを従え、たいへん豊かなボディで、鮮烈。始めは、バックバンドは控え目だが、楽曲が進むにつれて体積が増強。センターヴォーカルと対等のボリュウムに。どちらも音の輪郭がシャープで、空気を刻んでいく力が強い。ヴォーカルは音的、発音的、歌詞的にも明瞭。

 ⑧日本的な旋律とこぶしをきかせたシンギングスタイルの和風な世界と、重量級にして鋭いドラムス+ベースの融合は感動的。響きがたっぷりと拡がった濃密な音場の中で、矢野顕子のヴォーカルが、力強く浮かび上がる。録音はライヴとは思えないクリアーさ。輪郭の力強さ、緻密さ、音色のグロッシーさも感動的。3曲目の「ゴジラ」もパワフル。ドラムスのアクセントをバックに、ピアノが咆吼するゴジラ旋律が強烈。

 ⑨スティングは2013年作品『The Last Ship』をベースにして、新録音5曲を加えて、新譜『The Last Ship(Expanded Edition)』としてリリース。大きなヴォーカル音像で、スティングらしい上下する滑らかな旋律、センター音像の大きさが印象的。独特の節回しやアクセントが明確にフィーチャー。旋律は流麗だが、ヴォーカルの輪郭はエッジが立つ。新録の「アイランド・オブ・ソウル」は、音の粒子が細かく、階調的に緻密で円滑だ。

 ⑩躍動するポップ・ブルース。シンプルな歌詞、平易な旋律、明朗なコード進行が快感だ。センターに際立つスーザン・テデスキの快速ヴォーカル、耳をくすぐるデレック・トラックスのスライドギター、進行力の強いドラムスが刮目。「I Got You. You Belong To Me.」をひたすら繰り返すサビがたまらない。録音はたいへん優秀。

 

画像2: Qobuzで愉しむハイレゾストリーミング『新星の新演奏を魅力的に捉えた』【HiVi2026春号】

候補として試聴した曲のプレイリストはこちら>

https://open.qobuz.com/playlist/55669788

 

>本記事の掲載は『HiVi 2026年春号』

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