アナログ・マスターテープ音源から蘇るピンク・レディの名曲を収めた不滅の復刻アルバム

 本作は1976年から1978年にかけて日本のヒットチャートを席巻していたピンク・レディ初期のヒット曲集。知らない人はいないと言っても過言ではない曲ばかりを収録している。また、1978年のアナログレコード発売以来、初めて復刻されたアルバムである点も注目に値する。

『ピンク・レディー/ベスト・ヒット・アルバム』
33 1/3回転 LP 180g重量盤

『ピンク・レディー/ベスト・ヒット・アルバム』
33 1/3回転 LP 180g重量盤
(ビクターエンタテインメント/ステレオサウンド SSAR-113)¥7,700 税込

[収録曲]
[SIDE-ONE]
1.カメレオン・アーミー
2.サウスポー
3.S・O・S
4.渚のシンドバッド
5.ウォンテッド
6.UFO
7.ペッパー警部

[SIDE-TWO]
1.透明人間
2.モンスター
3.カルメン’77
4.スーパーモンキー孫悟空
5.ドラゴン
6.アクセサリー
7.キャッチ・リップ

カッティングエンジニア:松下真也(PICCOLO AUDIO WORKS)
▼『ピンク・レディー/ベスト・ヒット・アルバム』
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 もはやくどい説明は不要な名曲ばかりで、それを今の時代に鮮度の高い音で楽しめるというのは僥倖と言うしかない。今回のアナログレコード制作では、当時のアナログ・マスターテープ(1/4インチ)をいったん1/2インチのテープに録音。このプロセスによる最小限の音の調整で、当時の音を最大限に尊重しながら現代の環境にふさわしい音に仕上げている。作業を行なったのは、PICCOLO AUDIO WORKSの松下真也エンジニアだ。

 まず一聴してみて、当時の思い出が蘇ったことに少し驚いた。あまり強い思い入れはなかったはずなのに、歌詞ばかりか主要な振り付けまでもが曲に合わせて頭をよぎり、意に反して当時これほど夢中になっていたのかと、少々照れくさくなってしまった。

 もう少し理性的に聴きこんでいくと、間違いなく昭和歌謡曲でありながら、強めのビートを効かせた曲が多く、女性の可愛らしさに加えて、強さや色気を感じさせるところにひとつの特長がある。彼女たちの代名詞のような曲「ペッパー警部」などは、スキャンダラスなフレーズが当時の少年にはドキドキさせられたものだ。たいへんわかりやすく、一度聴けばすぐに口ずさめる馴染みやすさがある一方、伴奏はサビで転調するなど、なかなか凝った作りだ。この転調で披露するソロの歌唱力は見事という他ない。 もちろん人気の高い曲の多くを収録しており、元気のよい歌唱が魅力の「GO MY WAY!!」をはじめ、「キラメキラリ」、「乙女よ大志を抱け!!」などが印象に残った。LPサイズの大判ジャケットもコレクターズアイテムとして見逃せない。

 洋楽のニュアンスを色濃く感じさせ、人気の上昇に伴なって振り付けがより激しくなっていった様子に、新たな時代を切り開いた様が音から聴きとれる。当時を振り返るのもいいし、今となっては贅沢な編成による生演奏の玄人好みの伴奏のテクニックを、粒立ちのよい音で堪能するのもいい。昭和の歌謡曲の魅力を存分に味わえる貴重なアルバムだ。

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