リビングにこそ本格のQobuz再生を。シンプルかつ高音質コンビに心浮き立つ

 家族が集うリビングで、居心地の良さを損ねることなく、Qobuzの上質なサウンドを満喫したい。こんなリクエストに応えるには、デザイン的に洗練されたスピーカーと省スペースのプリメインアンプの組合せが有力候補になるが、前提としては当然ながらQobuzのクォリティに見合った質の高いシステムでなければならない。

 ここで私が推薦したいのが、フランスで80年にもおよぶ歴史を誇るスピーカーブランド、elipson(エリプソン)のエントリーライン、HORUS(ホルス)と、コンパクトかつスタイリッシュな筐体で、馴染みのいい上質なサウンドを楽しませるNuPrime(ニュープライム)のDAC内蔵プリメインアンプIDA-8の組合せだ。

 HORUSは2ウェイ・ブックシェルフ型のHORUS 6Bと、2.5ウェイ・フロアースタンディング型のHORUS 11Fの2ラインナップ。同社が誇る技術、経験、ノウハウを凝縮し、丁寧に設計されたスピーカーシステムで、価格を大きく超えた価値を真摯に追求した自信作だ。今回は低域再生能力に余裕があるHORUS 11Fを選択した。

 IDA-8はクラスD増幅のパワーアンプ回路が大きな特徴で、内蔵するUSB DAC機能はPCM 384kHz/24ビット、DSD 11.2MHzまでサポートする本格派。S/Nの良さを生かしたシングルエンドアンプ(A級アンプ)と、高効率のD級アンプを組み合わせた独自の構成で、大型アナログアンプにも負けない駆動力が自慢だ。Qobuzの再生にはデラのミュージックライブラリーN1A/3のUSB出力をIDA-8に接続。LINNアプリで選曲/再生を行なっている。

 

画像1: 『elipson with NuPrime』注目モデルで聴くQobuz《プリメインアンプ+スピーカーシステム編》

Speaker System
elipson
HORUS 11F

¥198,000 (ペア)税込
●型式:2.5ウェイ3スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:25mmドーム型トゥイーター、130mmコーン型ウーファー×2
●クロスオーバー周波数:2.8kHz
●出力音圧レベル:90dB/W/m
●インピーダンス:6Ω
●寸法/質量:W175×H875×D270mm/13kg

 

Integrated Amplifier
NuPrime
IDA-8
¥264,000 税込

●型式:プリメインアンプ
●出力:100W+100W(8Ω)
●接続端子:アナログ音声入力1系統(RCA)、デジタル音声入力3系統(同軸、光、USB Type B)、サブウーファー音声L/R出力端子1系統(RCA)
●寸法/質量:W235×H55×D281mm/4.3kg

 

Switching Hub
NuPrime
Omnia SW 8
¥99,000 税込

●型式:スイッチングハブ
●接続端子:LAN端子8系統(RJ45)
●寸法/質量:W154.5×H26×D85mm/1.2kg

● elipsonとNuPrimeの問合せ先:フューレンコーディネート TEL. 0120-004884

 

 

HORUS 11FとIDA-8とはしなやかな音調で相性抜群

 まずHORUS 11Fを見ると、エンクロージャーの造りの良さ、シャープなフォルムに惹きつけられる。サランネットの仕上げも丁寧で、エッジのラインがキリッと締まり、甘さがない。本体色も3種類(ブラック・カーボン、ウォルナット・ダークグレイ、ライト・ウッド・ベージュ)が用意され、インテリアに合わせて好みの色が選べるのもいい。

 ではLINNアプリでQobuzを操作、ダイアナ・クラール、リンダ・ロンシュタットの歌声、チョ・ソンジンのピアノと、聴き慣れた楽曲を中心に再生してみたが、フワッと浮き立つ声の艶っぽさといい、空間を漂うように拡がるピアノの響きの繊細さといい、聴き心地のいいサウンドに包み込まれる。

 チョ・ソンジンのピアノは生きのいいしなやかな響きが素早く立ち上がり、目の前の空間にフワッと解き放される様子が実に新鮮。かすかに残る余韻、響きの消え際まで滑らかで、その雰囲気がいい。帯域バランスの整った落ち着きのあるトーンの聴かせ方からも、システムとしての素姓の良さが感じ取れた。

 このクラスのフロアースタンディング型スピーカーの場合、低音が不自然に膨張したり、歪みっぽくなったり、エンクロージャーの弱さを感じてしまうことが少なくないが、このHORUS 11Fについてはそうした不安はない。

画像2: 『elipson with NuPrime』注目モデルで聴くQobuz《プリメインアンプ+スピーカーシステム編》

ニュープライムのIDA-8は、コンパクトながら「A+D級増幅方式」回路を搭載し、100W×2のハイパワーを実現したプリメインアンプ。DAC回路もハイスペックでPCM384kHz/32ビット、DSDも11.2MHzまでサポートしている

 

 

オーディオ専用ハブOmnia SW 8は期待を大きく超える効果あり

 ここでニュープライムがリリースしている、オーディオ専用のスイッチングハブOmnia SW 8を、視聴室常設のハブ(バッファローBS-GS2016/A)と入れ替えてみよう。本体はコンパクトだが、アルミ筐体内部には高周波を除去するEMIアブソーバーが配置され、高精度のTCXO(温度補償水晶発振器)を搭載している。Wi-FiルーターとN1A/3間にOmnia SW 8を配置して、音の変化に注目すると、声の実在感といい、空間の濃密さといい、そしてバスドラム、ベースの躍動感といい、その効果は期待値を超えるもの。

 ダイアナ・クラール「デスペラード」の芯の強い声は張りがあり、彼女の持ち味でもある低音の響きにも余裕が生れる。ピアノの響きの質、静けさ、そして空間の描き分けと、システムとしての品位をワングレード押し上げる効果が確認できた。

 

画像3: 『elipson with NuPrime』注目モデルで聴くQobuz《プリメインアンプ+スピーカーシステム編》

 

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>本記事の掲載は『HiVi 2025年春号』

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