昭和を代表する大歌手・美空ひばり。黄金期の天才歌手の妙技がリアルに甦る

 昭和を代表するいちばんの大歌手、歌謡曲の女王といったら、このひとに相違ないだろう------美空ひばり。

 ひばりは1937年、横浜の生まれだ。江戸っ子三代・浜っ子三日、などと首都東京にたいする港神奈川=横浜の気安さ、敷居の低さを愛でる土地柄もあるけれど、10歳になるかならないかの小学生でデビューしたひばりの歌声はたちまち庶民の心を掴み、あれよあれよの天才少女階段を駆け上りながら日本全国津々浦々でスーパーアイドルに育っていった。そして1964年、27歳の年に「柔」を歌って日本レコード大賞最高の栄誉となる大賞を獲得。みずから天才を超越した女王歌手の座を確立する。

Stereo Sound ANALOG RECORD COLLECTION
LP 2枚組 45回転 180g重量盤『美空ひばり/ナット・キング・コールをしのんで~ひばりジャズを歌う』

(日本コロムビア/ステレオサウンド SSAR-095~096)¥7,000 税込

DISC 1
[SIDE A]
1.スターダスト
2.ラヴ
3.魅惑のワルツ
[SIDE B]
1.歩いて帰ろう
2.トゥ・ヤング
3.ペイパー・ムーン
DISC 2
[SIDE C]
1.恋人よ我に帰れ
2.プリテンド
3.月光価千金
[SIDE D]
1.慕情
2.ロンリー・ワン
3.夕日に赤い帆

●カッティングエンジニア:武沢茂(日本コロムビア)
購入はこちら

 『ひばりジャズを歌う』は、ちょうどその当時に録音されたオリジナルLPの復刻盤である。オリジナル盤は全12曲を1枚の30cmLPに収めた通常アルバムで、1965年に発売されているが、今回のステレオサウンド盤はコンセプトを変えた別仕様。同内容のアナログテープマスターから、45回転の180g重量盤2枚に各々表裏3曲ずつ。合計12曲を振り分け、新しいカッティングで余裕たっぷりな高音質ダブルジャケット盤に仕立て上げたものである。

 45回転盤の音は、33 1/3回転盤に比べ高域がスッと伸びたように聞こえる。それは回転の速い分、同じ周波数の信号が刻まれる距離が長くなるため。言い換えれば、33 1/3回転盤にもっと低い周波数の信号を刻んだことと同じで、再生時のトレースが容易になるのだ。周波数が下がるのだから、低域端では逆にトレースしにくくなる場合もあるけれど、カートリッジやトーンアームがきちんと整備されていれば広帯域記録のメリットが確実に味わえる、というわけだ。

 黄金期を迎えようとする美空ひばりの貴重で豪華な45回転盤。素晴らしいこのサウンドが、60年も経った今になって覚醒するとは。ビッグバンド+ストリングスつきの豪華ナンバーからコンボスタイルの軽妙なルンバまで、見事に隙のない女王の妙技が眼前に甦る。

This article is a sponsored article by
''.