画像1: プロジェクトの「Phono BoX DS2」は、MC/MM対応のフォノイコライザーアンプ 音像が立体的に並び立つ秀作

Phono Equalizer Amp

プロジェクト
Phono Box DS2

¥69,000 (税別)

●入力端子:1系統(RCAアンバランス)●出力端子:1系統(RCAアンバランス)●入力インピーダンス:10Ω/50Ω/100Ω/1kΩ/47kΩ●入力容量:47pF/147pF/267pF/367pF●利得:40、45、50、60、65dB●寸法/重量:W206×H71×D194mm/1.3kg●問合せ先:デノン・マランツ・D&Mインポートオーディオお客様相談センター TEL.0570(666)112

 アナログプレーヤーで知られるプロジェクトのフォノイコライザーアンプは、1998年発売のPhono Boxに端を発しており、本機はその最新版だ。MC/MM対応であり、入力インピーダンスとキャパシタンスは何通りも選択可能。ゲインはMMカートリッジ用の40、45 dB、またMC用の50、60、65 dBに切り替えられる。サブソニックフィルター付き。電源はDC18V出力のACアダプター方式。回路は各ch2個のICで構成され、信号系と電源系は1枚の両面基板で完結しているが、信号系は鏡対称配置にて左右のセパレーションを確保する。

 テクニクスSL1000Rに、MCカートリッジのフェーズメーションPP2000を取り付けて聴く。エネルギッシュで格別な瞬発力を誇るカートリッジから、ほどよい鮮鋭感と純度感で活気のある音が出現する。音像が3次元的に並び立ち、微細な情報までフォーカスが明瞭。特に「谷村新司Ⅲ」(ステレオサウンド盤)の声は彫刻家の塑像のように精密な実体感を提示して魅入られる。

 MMカートリッジのオーディオテクニカVM760SLCでも試す。セパレーションがよく、音像が迫ってきて前後感が明瞭。繊細至極な情報は輪郭部に溶解することもあるけれど、たっぷり、しっとり歌い上げる力と明朗な鳴りっぷりは大きな魅力だ。往年のピアソラのライヴ録音にしても、推進力と情炎の燃え残りのような情調が際立つ。つまり中低域の描写力の優位が隠れもない。これは小サイズにして音楽の骨法をよく再現する秀作だ。

画像2: プロジェクトの「Phono BoX DS2」は、MC/MM対応のフォノイコライザーアンプ 音像が立体的に並び立つ秀作

試聴に使用したカートリッジ MM型
オーディオテクニカ VM760SLC ¥80,000(税別)

画像: 調整スイッチの設定を確認する吉田氏。

調整スイッチの設定を確認する吉田氏。

試聴に使用したレコードプレーヤー
テクニクスSL1000R ¥2,000,000円(税込)

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